これが原因で引退…などとなったら、目も当てられない。

 プロ野球のキャンプで、平成の怪物が前代未聞の事態に巻き込まれた。中日松坂大輔投手(38)が沖縄・北谷キャンプで、ファンと接触した際に右腕を引かれ、右肩の違和感を覚えて当面ノースロー調整に入ることが11日、球団から発表された。病院で診断を受ける予定だが、今後のスケジュールは白紙。開幕への調整に影響が出ることは必至だ。

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防止策は…、正直難しい問題


 右肩は手術をした古傷でもある。大リーグから国内復帰した15年からソフトバンクの3年間は、右肩の不調で登板は1試合のみ。昨年移籍した中日で6勝を挙げ、カムバック賞を獲得した。キャンプインまで順調にきていただけに、完全復活を目指す38歳にとって、あまりにも痛すぎるアクシデントだ。

 松坂は即席サイン会を今キャンプでも何度も行うなど熱心なファンサービスで知られるだけに、ファンが絡んだトラブルに関係者はショックを隠せない。松坂に代わって、与田監督がコメントした。

 「選手もなんとかサインをしてあげたいという中で起きたこと。起きた瞬間は、松坂もそう厳しくは考えてなかったと思う。数日間、本人も悩んだんでしょう。本当に不慮の事故という形。僕も前に行こうとするときに、後ろから引っ張られたことがある。グンと引っ張られるだけで、手を持っていかれることはある。非常に難しい問題だけど、選手を守らなければいけないので、球団としっかり相談をしながら、防止策を考えなければいけない。だからといってファンの方と一切、接触を禁止するということはね。とにかく事故のないようにしていくしかない」

 アクシデントが起きた場所は北谷運動公園のブルペン横とメーン球場の間の約20メートル。一般人や球団の車も頻繁に通るため柵は置けず、選手に気安く触れることができるファンの人気スポット。選手によってはハイタッチや軽い握手をしながら通っていくこともある。警備員がついても、完全にガードすることは難しい。球団は警備員を増やすなど対応策を講じた。

ファンサービス、今回の問題以外にも…

 ファンサービスという点では、松坂人気で多数のサイン入りグッズがネット競売に出回り、高額で取引される事態も問題になっていた。4日には球団サイトで「沖縄春季キャンプにおいて、一部のファンの方で転売を目的として選手へサインを求められる行為が見受けられています。このような行為には決して及ばないようお願いいたします」と注意喚起したばかり。

 それでも松坂は「僕が考えても仕方がない」と即席サイン会を継続していただけに、何ともやり切れない。

 たしかに選手とファンが触れあう機会は少ない。一部の心ないファンは「サインは1人1回、1個まで」とルールを設けても、変装して列に何度も並ぶ人がいる。子供や周りを押しのけてでも、お目当ての選手に近づこうとする人も多い。興奮して選手につい触ってしまうこともあるだろう。しかし、想像してみてほしい。安易な行動が選手生命に関わるとしたら?

 松坂は右肩に「爆弾」を抱えている。

 今回の事故が、年齢的にも選手生命に関わる可能性は否定できない。握手やハイタッチの際は、利き腕を出さないなど、選手側も注意を払う必要がある。選手とファンの距離感。ファンサービスを推進するうえで、球団単位でなく、プロ野球界全体で議論していかなければならないだろう。

※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]