提供:週刊実話

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 10月11日に開場した豊洲市場(東京都江東区)が初の年末年始商戦を迎えているが、小口の客は大田市場(大田区)や足立市場(足立区)に流れ、早くも零細の水産仲卸業者が経営危機に追い込まれる雲行きだという。

 東京都は豊洲市場の水産物取扱量が右肩上がりになると予測していたが、同市場の水産物の取扱量は12月7日までの8週間で前年度比96%と減少。
「塩干加工品分野は1割減になっている。豊洲は家賃が高いため、水産物の値段も大田市場や足立市場と比べると当然アップする。小口の客は同じ品質なら、少しでも安い方で仕入れますよ」(水産仲卸業者)

 豊洲市場は交通の便の悪さや駐車料金が高いこともあって、電話注文が多くなった一方、
「電話注文の場合、市場でのネタの取り扱い状況が分からない。仲卸業者から“今日は高値だったんで”と言われれば、小口の客はどうしようもない。電話注文の客も安い市場に流れているんです」(小料理店店主)

 小口の客を失うと現金収入は減る。それこそ、豊洲市場の零細仲卸業者にとって年末年始商戦は大打撃だ。

 11月15日には、ターレに乗った70代女性が荷台から転落する事故が起きた。
「女性は都内で中華料理店を経営する関係者で、豊洲市場初の死亡事故となりました」(社会部記者)

 しかも、事故を起こしたターレの所有者は、豊洲移転に反対していた水産物仲卸業者というから複雑だ。
「都は解体工事が進む築地市場敷地内で所有物を残していた仲卸業者2社に対し、土地と建物を明け渡すよう東京地裁に仮処分申請していたんです(11月22日仮処分決定)。そのうちの1社は豊洲にも店を出していた。その店のターレが事故を起こした。都は豊洲の店を明け渡しの不備等で営業停止処分にしたんです。同業者からは“都の嫌がらせだ”と非難の声が上がってます」(豊洲の仲卸業者)

 豊洲の来年は明るい?