帝王フェデラーの2018年。全豪2連覇や、史上最年長での世界1位返り咲きも【男子トップ10の今シーズン】

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「ウィンブルドン」では男子シングルスで史上最多となる8度の優勝を誇り"芝の帝王"とも評されるロジャー・フェデラー(スイス)。今シーズン2月には約5年4ヶ月ぶりに世界ランキング1位に返り咲いた。

「テニスファンが最も好きなプレーヤー」に16年連続で選ばれ、現在37歳となった今でもトップレベルで活躍を続けているフェデラーの今シーズンを振り返る。


■「全豪オープン」2連覇。GSタイトル通算20個目獲得


フェデラーは、今シーズンの初めに出場した1月の「全豪オープン」では決勝でマリン・チリッチ(クロアチア)を制し優勝。同大会で2連覇を果たすと同時に6度目の優勝となった。なお、フェデラーは男子シングルスのグランドスラム優勝回数で史上最多の20回を誇る。


優勝後には「もう一度優勝できるなんて思っていませんでした。去年と同じ場所でしたが、まったく違った試合、体験でした」と語った。また、「みんなが応援してくれて、充実した試合ができました。試合が終わって、勝てて、本当にほっとしています。素晴らしい瞬間を味わうことができました」と話していた。


■史上最年長となる世界1位返り咲き


2月の「ABN AMRO ワールド・テニス」後のランキング更新で、当時36歳で約5年4ヶ月ぶりに世界1位に返り咲いたフェデラー。これにより、テニスの世界ランキングで男女問わず最年長のトップ選手となり、33歳で1位の座に就いていたアンドレ・アガシ(アメリカ)の記録を抜いた。なお、初めて1位になったのは2004年で、14年が経過していた。


AP通信によると、フェデラーは「僕にとって驚くべき旅路だった。世界ランク1位に返り咲けるとは」「最初は単にすごいプレーができるから1位になれることがある。その後は、返り咲くためにもがいて、1位に就く資格のある他の選手から奪還することもある。年を取ってくると、倍も努力しなきゃならないように感じる。だから今回の1位は、僕のキャリアの中で最も大きな意味を持つものかもしれない」と話していた。


■「ATP500 バーゼル」で2年連続、9度目の優勝。ツアー通算99個目のタイトル獲得


フェデラーは、地元スイスで開催される「ATP500 バーゼル」で今年、2年連続9度目の優勝を飾った。優勝後には、ボールキッズ達とピザパーティーで勝利を祝う姿が今年も見られた。


また、バーゼル優勝で99個目のタイトル獲得となったフェデラーは、6度優勝した経験を持つツアー最終戦「Nitto ATPファイナルズ」で通算100個目のタイトルを目指した。しかし、準決勝でアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)に惜しくも敗れ、次へ持ち越しとなった。


■2018年の主な出場大会・結果


「Nitto ATPファイナルズ」 ベスト4


「全豪オープン」 優勝
「ウィンブルドン」 ベスト8
「全米オープン」 ベスト16


「ATP1000 インディアンウェルズ」 準優勝
「ATP1000 シンシナティ」 準優勝
「ATP1000 上海」 ベスト4
「ATP1000 パリ」 ベスト4


「ABN AMRO ワールド・テニス」 優勝
「ATP500 ハレ」 準優勝
「ATP500 バーゼル」 優勝


「メルセデス・カップ」 優勝


■終わりに


ツアー最終戦で敗れた後にフェデラーは「37歳でまだ十分に競技できること、テニスをして幸せを感じられることを誇りに思う」「いくつかの意味で歴史的なシーズンだった。世界1位に返り咲けたし、それは私の人生ですごく大きな意味を持っている」と話した。


2019年シーズンも衰えを感じさせない素晴らしいプレーで、ツアー通算100個目のタイトル獲得、そして更なる飛躍ができるか注目だ。


(テニスデイリー編集部)


※写真は「全豪オープン」のトロフィーとフェデラー
(Photo by Michael Dodge/Getty Images)