Appleの「iPhone XS」に搭載されているメインカメラは異なる2つのレンズを搭載した「デュアルカメラシステム」を採用しており、Huaweiの「P20 Pro」では1つのカメラに3つのレンズが搭載された「トリプルカメラ」が採用されています。レンズの数が増えればそれだけさまざまな撮影シーンに適したレンズを用いることが可能になり、より高品質な写真が撮影可能になりますが、韓国のLGはなんと「16レンズカメラ」の開発に取り組んでおり、既に特許を取得済みであることが明らかになっています。

LG smartphone met 16 camera lenzen | LetsGoDigital

https://nl.letsgodigital.org/smartphones/lg-smartphone-camera/

LG patent hints at a 16-lens smartphone camera - The Verge

https://www.theverge.com/circuitbreaker/2018/11/26/18112728/lg-patent-16-lens-smartphone-camera-array-photography

2018年には次期iPhoneが3つのレンズを搭載したトリプルレンズカメラを採用するのではないかと報じられたり、Nokiaの5つの異なるカメラを搭載したスマートフォンと思われる写真がリークされたりと、スマートフォンに複数のカメラやレンズを搭載することは一種のトレンドとなっています。

Nokiaの5眼カメラ付きスマホがリーク、次期フラッグシップ機「Nokia 9」か - GIGAZINE



スマートフォンメーカーにとってカメラ性能は他社製スマートフォンと差をつける絶好のポイントになり得るため、例えばiPhoneならば「デュアルカメラシステム」を用いたポートレートモードでカメラの性能を大々的にアピールしています。そんな中、スマートフォンメーカーの中でもかなり早くからデュアルレンズカメラを自社プロダクトに採用してきたLGが、16枚ものレンズを搭載した「16レンズカメラ」を開発中であり、特許を取得したことが明らかになっています。



海外メディアのLetsGoDigitalによると、LGは2018年11月20日にアメリカ特許商標庁から16レンズカメラに関する特許を取得しました。特許には「16個の各レンズはマトリックス配列内の特定の曲率で配置され、異なるレンズを用いて複数の視点から写真を撮影することが可能。また、例えばユーザーが特定のレンズのみを選択して写真を撮ることもできる」と記されています。



「異なるレンズを用いて複数の視点から写真を撮影」というのは、LGが2011年にリリースした「2つのカメラで異なる位置から写真を撮影して3D写真を作り出すスマートフォン」でも用いられた手法です。加えて、複数のレンズを用いて同時に写真を撮影することも可能で、撮影されたものの中から最も良いものを選択したり、同時に撮影した写真や動画を組み合わせることも可能とのこと。



異なるレンズで撮影された写真同士を組み合わせることで、例えば人の頭部だけ別のレンズで撮影した高品質なものに置き換えることもできます。顔認識機能も存在しており、選択した顔と同じものがスマートフォンのメモリ内に存在していないかを検索することが可能であり、そのまま別の写真の同一人物の顔部分だけを持ってくることもできます。



カメラは以下のようにスマートフォンの背面に取り付けられることとなるわけですが、そのカメラ下部にはフラッシュと大きな鏡がついています。この鏡をカメラと一緒に使用することで、ユーザーが16レンズカメラを使って自撮りできるようになるとのこと。

16レンズカメラのイメージはこんな感じ。カメラ下部に大きな鏡がついており、これを使えば自撮りも可能になるというわけ。



加えて、特許ではスマートフォンの背面にタッチスクリーンを統合する可能性や、音声出力ユニットが配置されているとも記されています。

なお、16個のレンズが搭載されたカメラはLGが開発中のものが初めてではありません。2015年に16個のレンズを搭載した「L16」というカメラが登場しており、実際にどんなカメラに仕上がっているのかは以下の記事をチェックすればわかります。

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