科学者ならではの料理知識や合理的でおいしいレシピが話題の、科学者ママnickyさん。今回の記事では、まとめ買いしたお肉を冷凍したときに、おいしいまま解凍する方法を教えていただきました。

「タンパク質や脂が変化しないギリギリの温度を利用すれば、手早く、おいしく解凍できます」

ドリップを防止するには、50℃の湯を使って短時間で解凍するのがコツ!



解凍は短時間で行った方が、肉の細胞が受けるダメージが少なくてすみ、味が落ちたり、ドリップが出るのを防止できます。

「冷凍したときのポリ袋ごと50℃の湯につけて解凍すると、手早く解凍できて簡単。肉のダメージを最小限に抑えられますよ」

●深めの鍋に湯をはって、冷凍した肉の袋をつけて解凍


鶏胸肉で実験深めの鍋に50℃の湯をはります。給湯器で60℃の湯を沸かし、鍋に入れると約50℃に。

鶏肉など厚みのある肉は5〜10分、ひき肉は4〜5分、薄切り肉は1分程度、袋ごとつけて解凍します。

●50℃解凍した肉は弾力があり、ドリップも少ない


塩をふって冷凍し、50℃の湯で解凍した鶏胸肉は、弾力があって色も鮮やかなピンク色。ドリップもほぼなく、ダメージが少ないことがわかります。

ひき肉ダネにしたものは、解凍せずに揚げるのも手



基本、肉は解凍してから使った方がよいのですが、味つけ冷凍したひき肉ダネの肉団子やギョーザは、凍ったまま低温から揚げるのもおすすめ。
「中の温度が上がりすぎず、外はカリッ、中はジューシーに仕上がりますよ」

・冷凍肉団子


ひき肉にショウガとニンニクすりおろし、刻みネギ、塩、片栗粉を加えた肉団子。
「凍ったまま低温で揚げると中がフワッとした食感に」

・揚げ肉団子


冷凍のまま低温で揚げ、最後に火を強くして揚げ色をつけましょう。


こんがりとした色が食欲をそそります。

・冷凍生ギョーザ


生の状態で冷凍したギョーザも、肉団子と同様に揚げれば、肉汁がジュワッと広がる揚げギョーザに。


お弁当にも便利!

●牛切り落とし肉は自然解凍がおいしい


「牛肉の脂は低温でも溶けやすいため、50℃の湯につけると風味が落ちてしまいます」
牛切り落とし肉なら、調理する40分〜1時間前から常温において自然解凍しましょう。

●牛ステーキ用肉は前日の晩から冷蔵庫で解凍する


牛ステーキ用肉は中まで解凍するのに時間がかかるため、冷蔵庫で1日おいて解凍するのがおすすめ。
「しっかり中まで解凍したら冷蔵庫から出し、常温に戻してから弱火でじっくり焼くとジューシーに」

●教えてくれた人
【科学者ママnickyさん】

分子生物学者。科学者ならではの料理知識や合理的でおいしいレシピが話題に。レシピコンテストでも多数受賞。ブログ「科学者ママのお料理ノート
」が人気