視聴率続落の「SUITS」で露呈した「弁護士ドラマではありえない」展開とは?

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 織田裕二が敏腕弁護士役で主役を務める月9ドラマ「SUITS」(フジテレビ系)の視聴率が続落している。10月22日放送の第3話は10.3%とかろうじて二桁を死守したが、翌週以降の大台陥落に予断を許さない状況だ。その第3話にて、弁護士ドラマにはあるまじきシーンが映し出されたという。

 第3話で織田は、老舗の腕時計メーカーを舞台に、工場の海外移転を推進する次期社長候補と対立。筆頭株主でもある前社長の娘を味方につけ、株主総会にて新たな取締役を2人選任させることで、次期社長への就任を妨害するというもくろみだ。ところが次期社長候補側は、臨時取締役会を予定の時間より早く開催し、新取締役の参加を締め出し。みずから次期社長に就任したうえで、「クーデターを起こそうとした以上、退職金は期待しないほうがいいですよ」と言い放ったのである。

 それに対して織田は、世界的ゲームメーカー「BPM」の若き経営者を味方に引き入れ、そのBPMが時計メーカーを買収することに。これにより織田はもくろみ通り、工場の海外移転を阻止したのだった。そのストーリーについて週刊誌の記者が首をひねる。

「次期社長候補側が取締役会を抜け駆けで開催したのは明らかに、会社法に違反しています。取締役会の開催に当たっては、取締役全員に対して招集を通知する義務があります。そして招集義務を省略できる唯一の手段は、全取締役の同意を得ること。つまり新取締役に黙って取締役会を開催することは不可能なのです。それゆえ敏腕弁護士の織田なら、次期社長に向かって『この取締役会は無効です』と言うべきなのに、なぜかあっさりと降参していました。弁護士がテーマのドラマで、法律を無視したストーリーが展開されるとは驚きですね」

 もっとも本ドラマは、Hey!Say!JUMPの中島裕翔が演じる弁護士資格を持たない青年が、織田により大手弁護士事務所の弁護士として採用される場面から始まっている。最初から法律無視の設定が前提ゆえ、今後の回でも同様の法律無視は織り込み済みなのかもしれない。「それでいいのか」という疑問については、視聴率が答えになりそうだが、はたして…?

(金田麻有)