WBO王者ゾラニ・テテ(南アフリカ)【写真:Getty Images】

写真拡大

メイウェザー・シニア氏をコーチに招聘、マネージャー「ゾラニの希望でもある」

 ボクシングのワールド・ボクシング・スーパー・シリーズ(WBSS)バンタム級1回戦で、WBO王者ゾラニ・テテ(南アフリカ)が同級6位ミーシャ・アロイヤン(ロシア)を判定で破り、準決勝進出。12ラウンドで決着がつかず、辛勝発進となった“11秒KO男”は史上初の無敗で5階級制覇を果たしたフロイド・メイウェザー(米国)の父親メイウェザー・シニア氏をコーチに緊急招聘するという。テテの母国、南アフリカメディア「Sowetan Live」が報じている。

 WBSSバンタム級初戦、戦慄の70秒KO勝ちで世界に衝撃を与えたWBA王者の井上尚弥(大橋)。一方、テテは敵地ロシアで大声援を受けたアロイアン相手に判定までもつれた。初戦の内容からV本命にモンスターに対し、「テテが勝ち目があると思う人間はいるのか?」と海外メディアから声も上がった。

 そんな中でテテが動いた。通算50戦無敗で「金の亡者」の異名を取るメイウェザーのトレーナーに弟子入りすることになったという。記事によると、テテのマネージャーを務めるムランデリ・テンジムフェネ氏がこう明かしている。

「ゾラニは(アロイヤン戦前に)ラスベガスのメイウェザーのジム、トップ・オブ・ザ・レンジに加わる予定だった。だが、アマチュア時代の指導歴がある人間が必要だったので、保留した。しかし、準決勝に進出し、ライアン・バーネットとノニト・ドネアの対戦相手と対戦する可能性が生まれたので、メイウェザー・シニアに指導を受けることになる」

マネージャー「メイウェザーは全てを成し遂げてきた」

 メイウェザーの父親のシニア氏は以前、麻薬の売人などにも手に染めた過去もあるが、無敗王者の実の親でもある。ロシア・エカテリンブルクで行われたテテのWBSS初戦だったが、同じくクルーザー級初戦で勝利を挙げたアンドリュー・タビッティ(米国)のトレーナーを務めたシニア氏とテテ側はトレーナー契約を結んだ。

「多大な経験の持ち主が必要だ。メイウェザーは全てを成し遂げてきた。彼はゾラニをトレーニングすることを受け入れ、それはゾラニの希望でもある」

 テンジムフェネ氏はこう語ったという。圧倒的なスピードと卓越したディフェンスで打たれることがなかったメイウェザースタイルは、世界タイトル戦最短KO記録を持つ“11秒KO男に伝授されるのか。井上の優勝を推す声が圧倒的だが、無敗王者の父の力を借り、テテは下馬評を覆し、頂点を狙う。(THE ANSWER編集部)