ベルギーの10番、エデン・アザール【写真:Getty Images】

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「W杯名珍場面」―天を仰ぐ香川の元に歩み寄るアザールの姿が美しい

 サッカーのワールドカップ(W杯)ロシア大会で、ファンの記憶に残った名珍場面を振り返る「W杯 夢の跡」。今回は、日本が決勝トーナメント1回戦のベルギー戦の敗戦直後、香川真司を労うベルギーの10番、エデン・アザールの姿だ。海外メディアが「なんとも気品あることだ」と称えた、美しき瞬間に再びスポットを当てた。

 ベルギーとの死闘に敗れた。精魂尽き果てたのだろう。香川はピッチに仰向けに寝転がり、天を仰いだ。すぐには現実を受け入れられなかったのかもしれない。そんな放心状態の、日本が誇る10番のもとに歩み寄ったのはベルギーの10番だった。

 アザールは目を閉じる香川を労うように、顔を覗き込みながら、何事か声をかけているように見える。そして手を差し伸べて、力強い握手を交わしている。またロメル・ルカクも香川の元に歩み寄って、握手を交わしながら、体を引き起こしている。ほかにもケビン・デブライネがうなだれる昌子に労う場面もあった。

 試合が終われば、相手をリスペクトし合うもの同士。試合後の美しいスポーツマンシップの光景を、英公共放送「BBC」の番組「マッチ・オブ・ザ・デイ」の公式ツイッターが数枚の写真と共に公開した。

香川を労うアザールの姿に「真の男だ」「美しい」など称賛の声が続々

「試合終了の笛が鳴ると、ベルギーの選手たちは精根尽き果てた日本代表を慰めた。なんとも気品あることだ」と文言をつけて紹介。この光景を目の当たりにしたファンからは「素晴らしきスポーツマン」「真の男だ」「美しい」「真のプロ」などと、称える声が殺到していた。

 死闘を制したベルギーは、続く準々決勝でブラジルを撃破。準決勝ではフランスに敗れたが、3位決定戦でイングランドを破り同国史上最高成績を残した。中でもこの日本戦は大会有数の名勝負という呼び声が高い。互いを称えつつも、勝敗のコントラストが色濃く伝わる場面。日本にとっても、ベルギーにとっても忘れ難い、名シーンとなりそうだ。(THE ANSWER編集部)