夢の通訳機「POCKETALK」でチャレンジ! 秋葉原のアメリカ、アイスランド、タイ観光客に通用するのか?

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国民的アニメ 「ドラえもん」には、「ほんやくこんにゃく」という道具がでてくる。
「ほんやくこんにゃく」は、
・外国人
・宇宙人
・動物
・ロボット
まで、どんな言葉も翻訳できる便利な道具だ。

ドラえもんを見ていて「ほんやくこんにゃく」が欲しいと思った人も多いだろう。

そんな夢を現代の夢の翻訳機「POCKETALK(ポケトーク)」が実現しようとしている。

POCKETALKは世界63言語をサポートした翻訳機だ。
本体に話しかけるだけで、設定した言語に音声で翻訳してくれる。
79の国と地域で2年間使える専用グローバルSIMを搭載した製品も用意されているので、海外でも通信料金を気にすることなく、利用することができる。

そんなPOCKETALKの実力は、いったいどれほどなのだろうか?
外国からの観光客が多いことで知られる秋葉原で取材をしてみた。


■英語編  米シアトルからのカップル 寿司で好きなネタは「ガリ」、通すぎる



突撃取材を試みた秋葉原は、平日の午後だったが多くの外国からの観光客であふれていた。
取材方法は、シンプルだ。
・筆者が日本語で質問し、POCKETALKが翻訳する
・POCKETALKの翻訳を聞いて、母国語で返答してもらう
・POCKETALKが返答を日本語に翻訳する


最初にお話をうかがった方は、ベルサール秋葉原の前にいたふたり連れのカップルだ。
筆者「どこからきましたか?」
男性「アメリカのシアトルから来ました。」

筆者「なにをしに日本に来ましたか?」
男性「結婚記念で、観光で来ました。」

日本語が話せるかどうかを聞いたところ、奥さんは少しだけ、日本語が話せるという。
     
秋葉原の次は、どこへ行くのだろうか?
筆者「秋葉原の次に行きたい場所は、どこですか?」
男性「中野ブロードウェイと、渋谷です。」

どちらの街も、外国人に人気のスポットだ。
日本には2週間ほど滞在して各地をまわるという。

ところで、秋葉原の前には、どこへ行ったのだろうか?
筆者「秋葉原の前には、どこへ行きましたか?」
男性「大阪で観光をしました。大阪城と道頓堀へ行きました。」


今日の昼食について気になったので、昼食についてもうかがってみた。
筆者「今日の昼食は、何を食べましたか?」
男性「寿司です。」

筆者「一番好きな寿司のネタは何ですか?」
男性「ガリ。」

「ガリ」という寿司通な返答に、取材スタッフからも、驚きと笑いがでた。

気になる英語の翻訳精度は、なかなか実用的だった。
「POCKETALK」から発せられる音声は、英語・日本語ともに綺麗な発音だ。
誤訳はほとんどなく、普通に通訳を介して話しているのと変わらないレベルだろう。


米シアトルから結婚記念で日本へやってきた観光客



■アイスランド語編  マジですか!おにぎりは梅干が好き 



次に取材させていただいたのは、ベルサール秋葉原の裏手で出会った北欧 アイスランドからの二人組の若者だ。

まずは、「POCKETALK」の英語で質問してみた。
筆者「どこからきましたか?」
男性「アイスランドから来ました。」

ところで、POCKETALKには「アイスランド語」は翻訳できるのか? 
気になったので、その場でPOCKETALKの対応言語を検索すると、なんと「アイスランド語」があるではないか。
これには、取材スタッフだけでなく、アイスランドの2人も驚いた。

早速、「アイスランド語」に切り替えて、取材を再開してみた。
筆者「アイスランドは、どこにあるのですか?」
男性「ヨーロッパにあります。笑」

筆者「いつから日本にいるのですか?」
男性「2週間前から日本に来ています。笑」

男性が思わず笑ってしまうのも、無理はなかった。
POCKETALKの日本語からアイスランド語への翻訳は、棒読みで抑揚がないマシンボイスのような話し方だったからだ。
一方、POCKETALKのアイスランド語から日本語の翻訳では、女性の声でなかなか自然な話し方であった。
アイスランド語は、筆者にとってもはじめて聞いた言語で、発音がドイツ語に近いかもといった印象だ。

POCKETALKでのアイスランド語の翻訳精度は、何とか日常会話が成立するレベル。
まあまあ通じてはいる感じだったが、アイスランドの2人から「正しく翻訳できてない」と指摘もされたので、途中から英語に切り替えることになった。
アイスランドの2人が早口であったこともあり、POCKETALKが正確に音声を聞き取れなかったのかもしれない可能性もある。

英語に切り替えると、「ほぼ完璧に動作している」と、言ってもらえた。
筆者「日本の好きな食べ物は、何ですか?」
男性「おにぎり。」

筆者「何のおにぎりが一番好きですか?」
男性「梅!笑」

「梅干が一番好き」との意外な答えに、スタッフ一同も、ちょっと驚いた。
外国人は梅干しが苦手と、思い込んでいたが、決して、そうではないようだ。





■タイ語編  明日は「東京ディズニーランド」へ行きたい



JR秋葉原駅の前にある広場で、男女3人組に話しかけてみた。
まずは、POCKETALKの英語で質問してみた。
筆者「どこから来ましたか?」
女性「タイから来ました。」

次に、POCKETALKの言語を「タイ語」に切り替えて会話にチャレンジした。
筆者「どういうグループなのですか?」
女性「友達。」

筆者「日本には、何をしに来ましたか?」
女性「観光。」
筆者「日本の好きな食べ物は何ですか?」
女性「ラーメン。」

「ラーメン」はPOCKETALKの翻訳を通さなくてもわかったが、タイ語に切り替えてから、どうも反応がおかしい。
翻訳される言葉も、心なしか片言だ。

筆者「これからどこへ行きたいですか?」
女性「ディズニーランド。」

筆者「好きなディズニーのキャラクターは何ですか?」
女性「ミッキーマウス。」

筆者「日本でほかに行きたい場所は、どこですか?」
女性「原宿。富士山。」

質問はタイ語に翻訳されるため、まったく聞き取れないが、答えは翻訳を通さなくてもわかる。
タイ語のやりとりのぎこちなさに、取材スタッフも笑いを抑えきれないようだ。

カメラを持っていたので、写真について聞いてみた。
筆者「写真を撮るのは好きですか?」
女性「はい。好きです。」

筆者「日本に来て、驚いたことは?」
女性「秩序。」

具体的な事例をうかがったが、うまく翻訳ができていなかったよう。
POCKETALKでのタイ語の翻訳は、少し長い会話になると、時々通じないことも多々あった。
3人は、「(タイ語に)正しく翻訳できてない」と英語で教えてくれた。
それでも、POCKETALKのような通訳機は、「観光客のためには便利」と、評価してくれた。




POCKETALKを使って、秋葉原の訪れていた外国の方と会話した結果をまとめてみると、
・英語は通訳レベルで、ほぼ完璧に近い翻訳ができる
・アイスランド語は、会話が何とか通じるレベル
・タイ語は、長い会話はまだまだ厳しく、単語レベルなら問題ないレベル

POCKETALKは、対応言語が多く、どの言語でも翻訳した内容が履歴で残る。
このため、あとから内容を確認することができる点は便利だと感じだ。




今回、英語と英語以外の言語の翻訳精度の差が目立った。
ソースネクストによると、翻訳エンジンはディープラーニングによって構築される。
このため、よく話されている言語は翻訳精度が向上し、通常の会話に近い翻訳が可能となるとのことだ。
つまり、今回のアイスランド語やタイ語も、利用頻度が上がり、言語情報が蓄積され、ディープラーニングが進めば、英語のようにスムーズな翻訳が可能になるそうだ。

2020年の東京オリンピックにむけて、これなら期待できるかもしれない。


撮影:2106bpm
執筆:ITライフハック 関口哲司