BMW 非リコールの電気系統トラブルが死亡事故に 英
もくじ
ー 既知の問題 リコールせず
ー 安全性に関わるのはあきらか
既知の問題 リコールせず
BMWが英国で販売した車両の電気系統の不具合についてリコールしないことを決定したが、それが死亡事故につながっていたようだ。
暗闇の中で故障して止まっていたBMWを避けようとして、66歳の元整備士のナラヤン・グルングが運転するフォード・フィエスタが木と衝突した。
2016年のクリスマス早朝、BMWがバッテリーとヒューズボックスの接続不良という既知の問題で故障し停車していた。
事故調査の過程において、BMWが2011年の段階でその問題についてのクレームを受けていたことがわかった。37万台前後が同様の問題を抱えていたが、通常の保証下で修理を受けた約5台以外は放置されていた。
2016年2月、英国の政府機関(DVSA)がBMWにこの車両の安全性について聞き取りを行なっていた。
安全性に関わるのはあきらか
BMWの部品の品質確保担当者であるマーク・ヒルは、同社がこの問題はステアリングやブレーキの動作に影響しないためそれほど重大視していなかったと話す。「大半のケースにおいて、事前に運転者に対しての警告が発せられていたため安全性に関わる問題とは考えていませんでした」
2013年に米国では50万台をリコールし、オーストラリア、カナダ、南アフリカでも小規模のリコールが行われた。しかし、なぜ英国は対象外とされたのかは疑問が残る。
グルングの事故の担当弁護士は「DVSAのエンジニアは調査時に『死亡事故は望まない』と話していました。それはすなわち、この問題が生命に関わる可能性があると認識していたのでしょう。もし高速道路上で電源を喪失した場合、ブレーキランプやハザードランプが作動しなくなり重大な問題が起きるでしょう。ライトがなければ他のクルマから見えませんから」
BMWは声明を発表し、「この悲劇的な事故に心を痛めており、われわれの心はグルングの家族とともにあります。この問題は現在捜査中であり、詳細なコメントは差し控えさせていただきます」と述べた。