4月30日のDeNA戦で復帰後初勝利を飾った中日・松坂大輔【写真:荒川祐史】

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DeNA大家が2010年に5847日ぶり勝利を記録

 4月30日、中日の松坂大輔は、DeNA戦に先発し、今季初勝利を挙げた。この勝利は、2006年9月19日のソフトバンク戦以来、4241日ぶりだった。

 2006年の松坂は9月13日に26歳の誕生日を迎えたばかり。9回を投げ切り被安打7、8奪三振、無四球、自責点1、堂々たる完投勝利での17勝目だった。2018年の松坂は37歳。6回を投げ被安打3、6奪三振だが8つもの四死球を与え、何とか自責点1で乗り切って勝利投手となった。

 2006年当時の試合に出場した西武のチームメイトで、今季も現役なのは「3番・遊撃」の中島裕之(現中島宏之、オリックス)と、松坂の球を受けた炭谷銀仁朗だけだ。

 松坂大輔の4241日ぶりの勝利は、NPB史上では2番目に長いブランクとなる。3000日以上のブランクを経て勝利した投手は松坂を含め4人となっている。

〇大家友和 5847日(16年と3日)
・横浜時代の1994年4月29日ヤクルト戦(横浜スタジアム)で8回表に救援登板、1/3回を無失点に抑え勝利(この年1勝目)。→1999年にMLBに移籍。レッドソックス、エクスポズ、ブルワーズ、ブルージェイズ、インデイァンスを経て2010年に横浜に復帰。

・2010年5月2日ヤクルト戦(神宮球場)で先発し、6回1/3を投げて自責点1で勝利。

松坂大輔 4241日(11年7か月と11日)
・西武時代の2006年9月19日のソフトバンク戦(インボイスSEIBUドーム)に先発、9回完投自責点1で勝利(この年17勝目)。→2007年にMLBに移籍。レッドソックス、メッツを経て2015年にソフトバンクに入団。2018年に中日に移籍。

・2018年4月30日のDeNA戦(ナゴヤドーム)に先発、6回自責点1で勝利。

阪神・遠山はロッテ時代に野手に転向し、再び投手に復帰

〇阿部健太 3580日(9年9か月と19日)
・近鉄時代の2003年9月14日のロッテ戦(大阪ドーム)に先発し、9回完封(この年2勝目)→2004年近鉄球団の合併により、オリックスに在籍。2008年阪神に移籍。2011年オフに自由契約となり、12球団合同トライアウトを経て2012年ヤクルトに移籍。

・2013年7月3日のDeNA戦(横浜スタジアム)救援投手として4回にマウンドに上がり、1回無失点。直後に打線が逆転に成功し勝利。

〇遠山奬志 3507日(9年7か月と8日)
・阪神時代の1989年10月14日の広島戦(広島市民球場)で先発し、8回2/3を自責点5で勝利(この年2勝目)→1991年ロッテに移籍。94年オフには投手を断念し、外野手に転向。1997年に自由契約となり、阪神に投手として復帰。

・1998年5月22日の巨人戦(甲子園球場)で7回から登板し、1回1/3を自責点0で勝利。

 なお、MLBに移籍した投手では、黒田博樹が2740日、7年6か月2日のブランクを経て勝利をしている。今年、MLBから巨人に復帰した上原浩治は、2008年10月5日の中日戦(東京ドーム)に先発し7回を零封して勝利(この年6勝目)、以来、4月30日時点で3494日、9年6か月と25日のブランクになっている。上原もNPB入団が同期の松坂大輔のように、長期のブランクを経て勝利を挙げることができるだろうか?(広尾晃 / Koh Hiroo)