「やっぱりイナバ。100人乗っても大丈夫!」でおなじみのイナバ物置のCM。実際に100人ぴったり乗っているのでしょうか。稲葉製作所に聞きました。

画面ではほんの数秒、でもきっちり「乗っています」

「やっぱりイナバ、100人乗っても大丈夫!」と、ハッピ姿の大勢の人たちがスーツ姿のひとりを中心に、物置の上で声を合わせる稲葉製作所(東京都大田区)「イナバ物置」のテレビCM。画面上ほんの数秒しか映りませんが、本当に100人乗っているのでしょうか。

「乗っています」(稲葉製作所)

 即答でした。


2018年3月現在の稲葉製作所「イナバ物置」最新ポスター。乗っている製品、乗っている人たちはテレビCM最新版と同じ(画像:稲葉製作所)。

「現在、ジャケット姿で『ガレーディア(後述)』の中心に乗っているのは2代目の社長で、ハッピ姿の99人は販売代理店の人たちです。前方から売上成績の良かった順に並んでおり、上位30名、次の30名、そのさらに次の人たちでハッピの色が異なります」(稲葉製作所)

 100人で製品の上に乗り始めたのは1987(昭和62)年、今から30年以上前といいます。なぜ製品に乗り始め、乗り続けているのかという点について、稲葉製作所は「丈夫さをアピールするためです。当初は、特に雪の深い地方に向けて、丈夫さをアピールしようと考えていましたが、人が100人乗っていることのインパクトから全国区となり、継続するにいたりました」と話します。

「毎年7月に決算が行われたあと8月に撮影を行っていますが、みな撮影には慣れており、作業はスムーズです」(稲葉製作所)

 撮影当日は物置の後ろに乗降用の階段が設置され、社長をはじめ最前列の人から順番に物置の上に乗っていくといいます。

 なお、2017年に公開された最新のCMで100人が乗っているのは、「ガレーディア(GARADIA)」という商品の豪雪地型で、厳密にいうと物置ではなくガレージとのこと。

 製品カタログによると、豪雪地型の積雪強度は4500N/平方メートルです。その数値と屋根の面積(約18.3平方メートル)を元に計算すると、ガレーディアは最大8235kgの重さまで対応。つまり、ひとりあたりの体重が82.35kgまでならば「100人乗っても大丈夫」です。

 ちなみに最前列に来るハッピの色は、毎年同じ見栄えになりすぎないように変えているとのこと。100人乗るCMは、今後も続ける予定だといいます。

【画像】2017年版CMで100人乗っている「ガレーディア」のサイズ


イナバ物置「ガレーディア」のサイズ詳細。数字の単位はmm。赤字は内部の奥行のサイズ。青字は屋根の高いハイルーフタイプのもの(画像:稲葉製作所)。