広報の専門家がアドバイス、活字媒体と映像媒体の取材対応で気をつけたいこと
でも、発表会の場などで、企業側が言いたくないだろうな、という言葉を言わせたいと思っている場合、先には教えてはくれません。
事前に予定していた無難な質問がひと通り終わり、対応者が慣れてきた頃に、さりげなく、その質問をしてきます。質問内容が「まずいな」と思った時、申し訳ないと思いながらも、対応者が話し始める前に、「あら?もしかして、事前に伺ってなかった質問ですね!」と言って邪魔をしてしまったりします。話し始めちゃったら終わりですから。
テレビのインタビューに関しては、どこを切りとられたとしても、誤認のない発言だけを気分よく、持って帰っていただく。それがベストです。でも、なかなかのスキルが必要で、リスクもあるので、やるときは、気を付けてください。
取材を遮るのは、最終手段で、本当はやらない方がいいに決まってます。もちろん、その前にできることが沢山あります。
とにかく正確に理解していただくこと。専門性の高い記者さんの場合は別ですが、テレビの記者さんは、担当範囲も広いので、ひとつの業界を深く取材をしているわけではありません。ですから、どの程度の知識をお持ちか?を探りながら、補足し、丁寧にレクチャーすることがとても大切です。
そして、記者の方はもちろんですが、テレビの場合、やはりカメラマンさんが、キーパーソンです。カメラマンさんは経験の長い方も多く、各業界の大きな発表会にも沢山出ていて、知識も豊富です。
そうすると、現場は、極めてスムーズで、良い映像を持って帰ってくださるものです。カメラマンさんって、相当頼りになりますから、丁寧に対応されることを強くお勧めします。
(文=遠藤眞代)
<略歴>
1993年ソニー株式会社入社 商品企画・渉外を経験し、ソニーマーケティングを経て、2006年からソニーで対外広報業務に従事。主にAV機器などを担当する。2013年にソニーを退職、その後フリーランスとして活動。現在、中小企業やスタートアップなど計3社の広報業務を受託している。