「チューリップカラアゲ」や「ウフマヨ」、「パクチーサラダ」などを、ちょっとずつつまみながら、好きなワインをグラスで堪能!

浅草寺を裏手に抜けて、しばらく歩くと辿り付く閑静な一角。この界隈は観音裏と呼ばれ、いま、食通たちがこぞって訪れる注目のエリアとなっている。

そんな最旬のグルメ街に、2017年新たに誕生した超新星『ペタンク』を紹介しよう!



所々に遊び心がちりばめられたカウンターのみの店内。オーナーシェフの山田さんは浅草橋の人気店『Wineshop & Diner FUJIMARU』が東京進出する際の立ち上げから携わった経験の持ち主。その他、パリなど名店での経験も料理の端々に感じることができる
浅草の魅力は夜に増す!仲見世通りを抜けて観音裏へ

夜の浅草を歩いたことはあるだろうか?どんな通りも18時頃を境に、一気に人通りが少なくなり、店の灯りだけが通りを照らす。

雷門で待ち合わせて、仲見世通りを歩き、浅草寺の境内を抜けて観音裏を目指すのがいいだろう。このコースなら、浅草寺がライトアップされた様子を見ながら歩け、浅草の違った一面を覗けるはずである。

そんなロマンチックな景色を眺めつつ辿り付くのは、浅草きってのグルメエリアと化した「観音裏」。

そして、今回の目的地は2017年4月に誕生した『ペタンク』だ。



メニューは定番料理もあるが、仕入れ状況によって日替わりなのも通いたくなる要素のひとつ
名店ひしめく観音裏という地を選んだ訳

ふらっと観音裏を歩いてみると、『焼鳥 トリビアン』、『ぬる燗』、『釜めし むつみ』といった名酒場はもちろん、『しみいる(Simi:l)』や『ルディック』などのフレンチまで、今食通たちが注目する店が点在。そんな名店ひしめくエリアに、『ペタンク』はある。

同店を一人で切り盛りするのは、山田武志シェフ。彼が観音裏という地での独立を決めたのは、このエリアの雰囲気の良さに惚れ込んだためだ。山田シェフの人柄も手伝って、観音裏という地にすんなりと受け入れられた『ペタンク』。店内はいつでも思い思いの美味しい時間を過ごす人たちで賑わっている。



「チューリップカラアゲ」(800円)。お一人様には2本で提供するなど細やかな心配りも
一品目に頼むべきはカラアゲ!? 懐かしい味わいの中にペタンク風アレンジを

カウンターに座り、品書きに目を通すと、バランスのいい品揃えに酒飲み心が弾んでしまう。あれもこれもと頼みたくなるが、まずは最初の一杯とともに「チューリップカラアゲ」を注文したい。

こちらは山田シェフの「どんな人でも親しみのある一品を」という想いから誕生した、初めて来ていただいたお客様へのご挨拶的メニュー。今ではあまり見かけなくなったチューリップ型の唐揚げは、万人の郷愁をそそるフォルム。奇をてらわないスタンダードな味付けにしているのも、この店に来てまず始めに食べて欲しい一品だからこそ。自家製マヨネーズで作られたスパイシーなソースでの味変も楽しい。



「ウフマヨ」(300円)。お皿はコースターとして作られているものをお皿として活用。どこにもない『ペタンク』スタイルが完成している

唐揚げとともにビールを飲み、初訪問の緊張がほぐれた頃には、普段あまりワインを飲まない人でも「今日はワインも飲んでみようかな」なんて気にさせてしまうのが『ペタンク』。

ワイン気分に切り替わったあたりでオーダーするのは人気の「ウフマヨ」だろう。



少し残った自家製アンチョビマヨネーズは「食パンorカンパーニュ」(200円)に付けて食べるのもおすすめ

半熟に卵を絶品の自家製アンチョビマヨネーズでコーティングしたシンプルなメニューだが、2人で1個オーダーしたら必ずもう一個追加したくなるほど、美味い。


ガッツリビストロメニューや、〆パスタも絶品です!



マーガレット・リヴァーの「スィ・ホワイト2015」(グラス900円)。マーガレット・リヴァー産の白としては珍しいシャルドネとセミヨンのブレンドしており、複雑で奥行きのある味わいが楽しめる
グラスワインが900円均一という粋な計らい

ワインは、ナチュール系ワインをメインに、ワインに慣れていない人でも飲みやすいものを揃えている。「ワインは全てグラス900円均一にしています」と山田シェフ。

ボトル単価ではなく、1杯に注ぐ量で調整しているため、オーストラリアワインなどのグラスワインでは味わえないような1本も気軽にグラスで味わえるのだ。まだ知らぬ味わいのワインとの出会いを求めるワイン好きには堪らない配慮だ。



「もち豚肩ロースのポークジンジャー」(1,500円)

メインには、本格フレンチ感のある「鹿のロティ」などをオーダーするのもいいが、この日は「もち豚肩ロースのポークジンジャー」をセレクト。

生姜、ニンニク、醤油、赤ワインビネガーで味付けされた静岡県産もち豚は、柔らかくジューシー。「ポークジンジャー」と聞いて、誰もがパッと思い浮かべる味わいを、少し上級に仕上げるのが山田シェフのこだわり。洋食の街でもある浅草という土地にも寄り添い、ハンバーグやマカロニグラタンなども登場。初めて来たとしても、親しみがあり頼みやすい料理でありながら味はしっかりペタンク風にアレンジが効いていて、期待以上。



「浅草開化楼パスタフレスカ!! 卵黄と青唐辛子」(1,000円)

〆には、卵かけご飯をイメージしたという「浅草開化楼パスタフレスカ!! 卵黄と青唐辛子」をぜひ。パスタフレスカを茹で上げた後、バターと卵黄、醤油漬けにした青唐辛子を入れて混ぜ合わせる。茹でたパスタの熱のみで卵黄にわずかに火が入り、まろやかで優しい味わいのパスタが完成する。

ジャスミンライスと具材それぞれ全て別々に火を入れていくチャーハンならぬ「チャハーン」も気になる一品のひとつ。山田シェフに「チャハーンってなんですか?」と聞いてみて、シェフとの会話を楽しむのもいいだろう。


カラアゲにビールを一杯楽しんでチャハーンを食べて帰って行く男性もいれば、女性二人でワインと小皿料理をしこたま楽しむ人もいる。『ペタンク』の楽しみ方は、訪れた人がその時の気分で決めればいい。山田シェフも「美味しかった」よりも「楽しかった、また来るよ」という言葉を頂ける店を目指したいと語る。

今夜は『ペタンク』を訪れて、自分流の楽しい時間の過ごし方を見つけてみてはいかがだろうか?