架空請求の代表的なものとして、ネットのコンテンツ利用料に関する詐欺が多いようですが、最近「総合消費料金」という得体の知れない料金をハガキで請求する手口が増えているそうです。無料メルマガ『まんしょんオタクのマンションこぼれ話』の著者でマンション管理士の廣田信子さんが、その手口を紹介するとともに注意を促しています。

新手の詐欺にご用心!

こんにちは! 廣田信子です。

<総合消費料金に関する訴訟最終通知のお知らせ>

 

この度、貴方の利用されていた契約会社ないしは運営会社から債務不履行による民事訴訟として、訴状が提出されましたことをご通知いたします。

 

[管理番号(わ)392]

裁判取り下げ期日までにご連絡がない場合は、執行官立会いの元、給料、動産、不動産の差し押えを履行させていただきます。

 

取り下げ最終期日 平成29年○月○日

 

法務省 民事訴訟センター

東京都霞が関3丁目○番地○号

取り下げ相談窓口 03-○○○○-○○○○

こんなハガキが届いたら、どうされますか? 身に覚えがなくても、そのことを伝えないと不利益になるのではと、思わず電話してしまいませんか?

これは、今、ものすごい勢いで広がっている「特殊詐欺」の手口です。各自治体でも、これに引っかからないように一生懸命広報活動をしています。

ネットで「総合消費料金に関する訴訟」で検索すると、詐欺の手口だから気をつけるようにと注意喚起がたくさん出て来ます。例えばこちら。

● 「総合消費料金に関する訴訟最終告知のお知らせ」のはがきにご注意ください!(茅ヶ崎市)

よく考えれば、「総合消費料金」といった漠然としたもので、どのようなサービスや商品購入に対する請求か具体的でないもので訴訟ができるはずがない。突然、「差押え」になるはずがない。訴訟に関する重要な通知が「ハガキ」で届くはずがない。冷静に考えればおかしいと思うはずですが…、たとえば、息子がネット上の高額なゲームに夢中になっているから、ひょっとしたら…息子の勤め先に連絡が言ったら大変と、親が思わず電話をしてしまうことってありそうです。まさに、電話による振り込め詐欺のハガキ版です。電話に出てもらいにくくなったので、ハガキに移行したのかもしれません。

もし、うっかり指定の番号に電話をかけると、相手の術中にはまり、高額なお金を振り込まされてしまうことに。このようなハガキがきたら、絶対に電話をしてはダメで、すぐに警察か消費生活センターに相談してくださいね。

私の自治会でも、行政からの連絡で、広報が回っています。バスの吊り広告にもありました。いろいろな形で注意喚起がされているのに…やはり、引っかかる人が後を絶たないのです。

ご近所の方との話でこの話題が出たときに、「電話は、手当り次第掛けるということも考えられるけど、ハガキは住所と氏名が分からないと出せないから、信用してしまうかも…。しかも、法務局とか裁判所と書いてあって、霞が関の住所だと…、いったい、住所と氏名の情報はどこから手に入れるのかしら、何だか怖いわね…」と。

別の方が…「名簿って、紙でもデータでも高く売れるんだよ。あらゆる名簿が売り買いされているから、いつ、自分の情報が漏れてもおかしくないんだよ、同窓会名簿とかすごく高く売れるらしいよ…」と。

また別の方が…「知らないところからダイレクトメールが来るだけでも何だか気持ち悪いのに、詐欺集団に渡るなんて怖い! 簡単に、住所や名前、書けないよね…」と。

それを聞いていて、私は、管理組合の名簿が気になりました。何だか、また居住者名簿を出さない理由にされそう…という懸念と、まさか…とは思うけど、万が一、元理事が名簿を売るなんてことがあったらという心配も…。

何だか大変な時代です。とりあえず、どんなに気をつけていても、住所、氏名の情報は洩れることがあると思って、この手の詐欺には絶対にひっかからないように、マンションでも広報したいですね。

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