8月17日のヤクルト戦、2回に4点目を奪われ、降板する巨人の先発内海=神宮(C)KYODO NEWS IMAGES

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◆ 巨人の先発3本柱以外は…

 巨人は72勝68敗3分と勝ち越しながらも、11年ぶりにBクラスに沈んだ。先発陣を見ると、菅野智之、マイコラス、田口麗斗の3本柱は、3人で44勝17敗、防御率2.26と抜群の安定感を誇り、貯金を27個作った。

【3本柱の成績】

44勝17敗 546回 自責137 防2.26

<先発成績>

菅野 智之 25試 17勝5敗 防1.59

マイコラス 27試 14勝8敗 防2.25

田口 麗斗 26試 13勝4敗 防3.01

 菅野、マイコラス、田口に続く投手が中々現れず、3本柱以外の先発陣の成績は15勝29敗、防御率4.98とかなり苦しんだ。

【3本柱以外】

15勝29敗 319回2/3 自責177 防4.98

<先発成績>

畠 世周:12試 6勝4敗 防2.86

大竹 寛:13試 4勝4敗 防5.09

内海哲也:12試 2勝7敗 防5.77

宮国椋丞:9試 1勝6敗 防5.05

吉川光夫:8試 1勝3敗 防6.12

山口 俊:4試 1勝1敗 防6.43

高木勇人:2試 0勝1敗 防1.35

池田 駿:2試 0勝1敗 防8.59

今村信貴:1試 0勝1敗 防4.50

谷岡竜平:1試 0勝1敗 防15.00

 DeNAからFAで巨人へ移籍した山口俊と、日本ハムからトレードで加入した吉川光夫が1勝、内海哲也、大竹寛といったベテランの先発陣も不安定な投球が目立った。

 昨季9勝を挙げ復活の兆しを見せた内海は、菅野、マイコラス、田口に続く存在として期待されたが、今季2勝7敗、防御率5.77と精彩を欠いた。

 8月23日に放送された『ニッポン放送ショウアップナイター 中日-巨人戦』で解説を務めた若松勉氏は、同日の中日戦に先発し4回1/3を投げ3失点でノックアウトされた内海について「内海が4番手ぐらいに来てほしかったんでしょうけど、見ていて内容があまりよくない」と苦言を呈した。

◆ シーズン途中から畠がローテ入り

 先発4番手以降が固定できない中、ルーキーの畠世周がシーズン途中から先発に定着し、6勝を挙げた。

 プロ初登板・初先発となった7月6日の広島戦で4回4失点で降板したが、続く7月19日の中日戦で7回1/3を投げ2失点に抑えプロ初勝利。8月2日のヤクルト戦から9月2日のDeNA戦にかけて自身4連勝を飾った。

 巨人先発陣の救世主となった畠について江本孟紀氏は「ストレートと変化球の腕の振りが大体同じ。タイミングが取りにくいと思う。変化球の時も腕の振りがいい。真っ直ぐを投げるような感じで変化球が来ると、バッターはタイミングがズレますからね」(8月27日放送の『ニッポン放送ショウアップナイター 巨人-阪神戦』)と打者を惑わす腕の振りを高く評価した。

 9月2日に放送された『ニッポン放送ショウアップナイター DeNA-巨人戦』で解説を務めた大矢明彦氏は「球が中々見えにくいピッチャー。剛速球ではないですけど、キレのあるピッチャーですね」と絶賛した。

 今季は菅野、マイコラス、田口に続く先発陣で苦しんだ巨人。畠がシーズン終盤にローテーションに定着したが、3本柱のひとりマイコラスが来季巨人でプレーするか不透明な状況。仮にマイコラスが退団となれば、先発の台所事情がさらに厳しくなる。内海、大竹、山口俊、吉川光といった実績組の復活、若手の台頭が必要になってきそうだ。

(ニッポン放送ショウアップナイター)