中国は世界最大の自動車市場だが、その消費にまつわる概念や環境は非常に独特だと言える。どの国の車を購入するかで、愛国心の有無が計られる傾向があったり、政治的な問題で不買運動が起きたりと、日系車にとっては必ずしも良い環境ばかりではないのが現状だ。(イメージ写真提供:123RF)

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 中国は世界最大の自動車市場だが、その消費にまつわる概念や環境は非常に独特だと言える。どの国の車を購入するかで、愛国心の有無が計られる傾向があったり、政治的な問題で不買運動が起きたりと、日系車にとっては必ずしも良い環境ばかりではないのが現状だ。

 しかし、中国では近年、日系車は正当に評価され、販売台数とシェアを伸ばしているが、これは一体なぜなのだろうか。中国メディアの今日頭条はこのほど、「車に詳しくない人は日系車を選び、少々詳しい人はドイツ車を選ぶ」と伝えつつ、さらに「自動車に詳しい人はやはり日系車を選ぶ」と論じる記事を掲載した。

 記事は、中国では多くの消費者が「自動車を国籍で論じる傾向がある」と伝え、「ドイツ車は操作性が高い」、「日系車は経済的かつ実用的」といった評判が多く聞かれると紹介。一方、安全性に関する評判は「人によって大きく違っている」ことを指摘し、日系車には「鋼板が薄くて安全性に劣る」といったデマが存在することを紹介した。

 一方、中国で日系車の販売が伸びているのは「自動車に詳しくない人と、自動車に詳しい人」に支持されているためだとし、それは日系車の経済性と信頼性、そして安全性の高さが理由だと指摘。日系車の故障しにくさは中国でも高く評価されているとしたほか、安全性にまつわるデマについても、欧米で行われている権威ある自動車衝突試験の結果を挙げ、日系車の安全性の高さは証明されており、中国ネット上の「鋼板の薄さ」をめぐる論調はデマであることが知られるようになっていると指摘した。

 自動車に詳しくない消費者は日系車の燃費性能を評価し、日系車を選ぶ傾向にあることを紹介しつつ、自動車に詳しい消費者は日系車の壊れにくさなどの信頼性を評価して日系車を選ぶと伝え、こうした理由によって日系車が中国で販売を伸ばしているのだと伝えている。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)