羽生結弦【写真:Getty Images】

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IOCが“王者の肖像”を特集「平昌でも栄光を防衛する」、大震災の本人コメントも

 平昌五輪のフィギュアスケートで66年ぶりの連覇がかかる羽生結弦(ANA)。大会まで100日を切り、注目は高まる一方だが、国際オリンピック委員会(IOC)公式サイトが特集を掲載。「ハニュウの可能性は無限大」と紹介している。

 日本が世界に誇る「Yuzuru Hanyu」に注目は高まり続けているようだ。IOC公式サイトは「連続的なレコードブレーカー(記録破り)、ハニュウの可能性は無限大」と見出しをうって羽生特集を掲載。長文で王者の肖像をクローズアップしている。

「ユヅル・ハニュウは依然として彼自身を引き上げている。彼はキャリアの中で、12度にわたって世界記録を更新してきた。そして、現世界王者、そしてグランプリ王者として2018年の平昌でも五輪の栄光を防衛することになるだろう」

 記事では、14年ソチ五輪では19歳で王者となり、ショートプログラム(SP)とフリー、合計得点で計12度、世界歴代最高を塗り替えたキャリアを紹介。いかに輝かしい道のりを歩み、世界王者に君臨し続けてきたかを伝えている。

 一方でスケーターの枠を超え、一人の人間として大きな衝撃をもたらした出来事にも注目している。11年の東日本大震災だ。

 仙台市出身の羽生は当時、地元のスケートリンクで練習中だったことを紹介。「悲劇的な出来事から生還したことは、彼にとって人生を生きる上の視点を変える出来事となった」と記し、本人のコメントを伝えている。

王者を支える絶対的な練習量「そのレシピこそが彼を絶対的な優勝候補たらしめる」

「人生で当たり前であるはずのことが必ずしもそうではないということを痛感しました。結局、自分は運が良かっただけであって、全てを失ってしまったように感じます。あの震災から、僕の価値観はまるっきり変わった。今の僕の目標は、一日一日、一つ一つの練習、一つ一つの大会を大切に全うすることです」

 このように語ったという羽生。平昌五輪では実に66年ぶりの連覇という半世紀をゆうに超える偉業に挑む。

 記事では「平昌五輪で成功を継続させるためのハニュウのレシピは、ハードワークと多大なトレーニングで形成されている」と言及。絶対的な練習量によって、再び表彰台の真ん中に立つ可能性は高いとみている。

「彼が五輪のタイトルを防衛するべく江陵市スケートリンク場の氷上に立った時、そのレシピこそが彼を絶対的な優勝候補たらしめるだろう」

 今季はグランプリ(GP)シリーズ初戦のロシア大会2位。今週はNHK杯に挑む。すべては平昌ために――。IOCも注目する日本のエースは、一日一日に全力を尽くしながら、ただ前だけを見て、突き進んでいく。