ドローンが老女の希望を支えた

写真拡大

 中国の内陸部、湖南省の山中で、道を滑った挙句山腹に投げ出されて、軽傷を負った81歳の老女が道に迷い、そのまま5日間、飲まず食わずでいたところを奇跡的に捜索隊に発見され、中国内で大きな感動を呼んでいる。

 諦めずに必死になって女性を探し続けた捜索隊の執念を称賛する声がある一方、緊急時に冷静な判断ができた女性にも多くの驚きの声が寄せられている。生死を分けた方法や機転は何だったのか。湖南省の地元紙「瀟湘晨報(しょうしょうしんぽう)」が報じた。

 この女性は羅希蘭さんで、10月初旬の昼過ぎ、お茶の種を集めようとして、山中の茶畑に入ったところ、雨上がりの道で滑落し、自分のいる場所が分からなくなってしまった。

 幸い、手や足をすりむいた程度の軽傷だったが、頭が混乱して、元の道に戻る方角が分からなくなった。その後、草木の中を分け入って、道を探したが、日が暮れてしまい、むしった草を体にかけて、布団代わりにして寝たという。

 次の日も歩きまわったが、場所が分からず、完全に迷子になってしまった。その際、たまたま見つけたのが、付近の農民がゴミや木を焼いたりしている土を掘った深さ1mほどの穴だった。その穴の中に羅さんが座ると、ちょうど全身が隠れるほどの高さだったので、羅さんは夜はその穴の上に草を敷いて、寝るようにしたという。

 穴はゴミや木を燃やしていたためか、かなり乾いていて、外にいるよりは快適だったこともあり、羅さんはその後はあまり動き回らずに、山の中に生えている柿などをとって飢えをしのいでいたという。

 しかし、ほとんど飲まず食わずだったので、徐々に疲れが出てきて、倒れそうになった際、自身の上を飛んでいるドローンを見つけたという。きっと捜索隊が近くにいると思った羅さんは大声で叫んだが、捜索隊には聞こえず、また、草木に隠れて、ドローンのカメラも羅さんを捉えることはできなかった。

 ところが、羅さんはドローンを見つけたことで希望を見出し、生きる元気も出てきた。そうしたことから声を出し続けたところ、捜索隊のメンバー2人が羅さんを探し出して救出。この時、迷ってからすでに5日間が経っていたという。

 これについて、ネット上では、「最後まであきらめなかった捜索隊の執念もすごいが、穴の中に入って寝ることを思いついた羅さんの機転や、ドローンを見て、希望を捨てなかった羅さんの楽観的な明るさもすごい」などとの書き込みがみられている。

 羅さんは自宅に帰った後、いまも元気に農作業に励んでいるという。