羽生結弦【写真:Getty Images】

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GPロシア大会SP2位、黄色く染まった銀盤に米メディア脚光「プーさんの雨が降り注いだ」

 フィギュアスケートのグランプリ(GP)シリーズ第1戦ロシア大会は20日、男子ショートプログラム(SP)で羽生結弦(ANA)はジャンプで転倒するなど、94.85点で2位発進。演技後は代名詞ともいえる「プーさん」のぬいぐるみが多数投げ込まれ、リンクが黄色く染まった。「プーさんの海」現象を米メディアが動画付きで紹介するなど脚光を浴び、「プーさんの雨が降り注いだ」と注目を集めている。

 これがある意味、羽生の本格的なシーズン開幕を表しているのかもしれない。羽生はショパンの「バラード第1番」の音色に合わせて演じ切り、最後のポーズを決めた。降り注ぐ喝采。日本から多くのファンが詰めかけた客席に頭を下げると、次の瞬間、黄色いぬいぐるみが降り注いだ。ディズニーキャラクターの「くまのプーさん」だった。

 その数はゆうに100〜200個は超えようかという数。まるで雨が降っているかのように次々投げ込まれ、瞬く間にリンクは黄色く染まった。拾い上げるフラワーボーイ&ガールもあまりの多さに懸命な様子。なんとかすべてを回収し、リンクは再び元通りの光景に戻っていった。

「プーさんの海」現象を、米スケート専門メディア「icenetwork」は「その直後、プーさんが宙を舞っている」と公式ツイッターで紹介。動画をつけ、リンクに次々と投げ込まれる様子を紹介すると、ファンから「プーさんの雨が降り注いでいる」との声も上がっていた。

「スケート後のいつものシーン」の風物詩…プレゼントしたくて離れない子供も話題に

 米NBCスポーツは「例外なく、敬愛に満ちた観客から氷上にプーさんの雨が降り注がれた。彼らの多くは日本からやってきている」と紹介している。

 ただ、同局のニック・ザッカルディ記者が「ユヅル・ハニュウによるスケート後のいつものシーン。そして、今回は五輪シーズンにおける最初のグランプリシリーズ後の光景でもある」と自身のツイッターでつづった通り、世界王者にとってはこれも風物詩か。

 羽生自身、プーさんの大ファンを公言しており、近年は実力の高まりとともに日本のみならず、海外のファンからも投げ込まれるようになり、演技後の象徴的なシーンになっていた。それが、GPシリーズ初戦ということもあり、話題になった。ある意味、フィギュア界のシーズン本格開幕を表すシーンでもある。

 演技後はプレゼントを回収し、プーさんを手に持っていたロシアの長髪のフラワーボーイが自身で書いた絵なのか、羽生にプレゼントしようとファンに挨拶するそばから離れず、最後にようやく手渡しし、ポンポンと頭をなでられたシーンが日本でも「天使みたい」と話題を呼んでいた。

 演技のみならず、演技後の現象まで何かと話題を呼ぶ羽生。多くのファンの後押しを受けながら、今日21日のフリーでSP2位から逆転Vを狙う。