まずは焦らず欲しい車種を何台か見比べる

クルマが欲しい。欲しくて堪らない! と舞い上がってしまうと、失敗するのが中古車選び。冷静に見るとダメなところだらけで、真っ直ぐ走らないものを買ってしまって大後悔したりして、高い勉強代だったと泣き寝入りなんてこともあったりする。

のちには武勇伝的なネタになったりするけど、最初から上モノが買えれば素敵なカーライフが待っているのだ。ということで、失敗しない中古車選びの簡単実用ポイントを紹介しよう。

まずはとにかく台数を見る。超ビンテージで、実車が見られるのも奇跡的という車種は別として、大抵の車種はじっくり探せば何台か見られるハズ。とにかく数を見れば、基準ができてくるので、個車の善し悪しが自然とわかってくれば、ボロを前にして「こんなものですよ」という常套句にも惑わされなくて済む。

個々のクルマのチェックだが、いきなり近づいてあちこち見るのではなく、まずは離れて眺めてみる。パネルが1枚だけ色が違うとか、ずれているといった具体的な印象をチェックするだけでなく、全体の佇まいも感じ取っておく。なんとなくの感覚で恐縮なのだが、程度のいいものは古いクルマでも印象としてピシッとしているし、ダメなものは新しい年式でもどこか雰囲気が悪いものである。

その後、細かいところを見ていくのだが、ボンネット/ドア/トランクなど、開けられるところはすべて見る。その際、カーペットなど、めくれるところはできるだけ見ておこう。フロアが濡れていたということが意外にあったりするし、最悪の場合はサビが出ていることもある。エンジンルームは見抜くのは難しいのでザッとでいいが、パネルなどの状態が左右で違ったりしないかなどは見ておきたい。

開けられるところをすべて開けたら、今度は作動させられるところはすべて作動させる。エアコン、オーディオ、メーター類、さらにはウインドウの開閉など、見ただけではわからないところを確認。エアコンはただオンオフするだけでなく、きちんと冷えるかも見ておこう。

クルマに詳しくなくても下回りは覗くべき

また、メーターは車検証に過去の距離が記載されているので、見せてもらって付き合わせるといい。その際、点検簿も確認できるといいが、最近は個人情報の保護で、破棄しているなどと言われることも多い。怪しい気もするが、理由が理由だけにそれ以上見せてくれと言えないのが残念だ。

そして可能なら、リフトアップして下まわりを確認できるとベストだ。メカに詳しくないから見てもわからないと思う人も多いだろうが、サビ(雪国だとグサグサの場合も)やオイル漏れなどは詳しくなくてもわかるはずだ。リフトアップは無理と言われても、しゃがんで下を覗くのはできるので、最低限でもいいから見ておきたい。

最後は試乗だ。ナンバーや車検のありなしによってできない場合もあるが、逆にできる場合は絶対にしておく。たとえ敷地内だけと言われても、しないよりは絶対にしたほうがいい。試乗する際は振動はないか。真っ直ぐに走るか。異音はないかなど、五感を研ぎ澄ましてチェックしよう。

事故車は見て見抜くことはできなくても、試乗するとわかることも多い。ちなみに試乗できる状態なのに、不可といい張る場合は店への信頼欠如という意味でも、買うのはやめたほうがいいだろう。

そして最終的には店が決め手となるのは事実。店内外の状態やスタッフの対応など、商談をじっくりすれば見えてくるハズ。この店なら買ってもいいと思えるかが、結局は一番のカギだったりする。くれぐれも買い急ぐことだけはしないように!