薄さ18.9ミリながらAAAゲームも快適、「限界を乗り越える」ゲーム用ノートをエイサーが発表
大手IT機器メーカーである台湾Acer(エイサー)が、4月27日(現地時間)に米国ニューヨークにて自社製品発表会『Next@Acer』を開催しました。

ここでは多数の製品が発表されましたが、もっとも力が入っていたのが、ゲーム向け製品となるPredator(プレデター)シリーズ。薄さ18.9mmながら高速な15.6インチ高級ゲームノートや4K HDR+144Hz入力対応液晶ディスプレイなど、注目できる技術を搭載した製品がアピールされました。

【ギャラリー】エイサー Predatorシリーズ2017年新モデル (14枚)



『Predator Triton 700』は、本体薄さ18.9mm、重量2.6kgの15.6インチフルHD液晶搭載ゲームノート。米国での発売予定は8月。価格は2999ドルから。



GPUはモデル名を伏せた状態となる「GeForce GTX 10シリーズ」を搭載。ただし発表会では3DMark 11(おそらくPerformance測定)で17000というスコアが公開されたことから、かなり高性能なことは間違いなさそうです。

エイサー側はこうした点を受け、キャッチフレーズを「いつでもどこでもゲームを楽しんでほしい。そんな願いを込めて、小さなボディーに強力なパワーを搭載しました。今までの限界を乗り越えるマシンです」と称しています。

またこれだけのスコアがあれば、いわゆるAAA(超大作)最新ゲームでも、多くがフルHD以上の解像度かつ高画質設定で快適にプレイできるレベルに入り、OculusやHTC ViveでのVR Ready条件も満たすほどの性能は備えていると考えられます。


冷却機構には、従来のプラスチック製ファンに対し、薄型化を達成しつつさらに35%風量を増加した『第2世代 AeroBlade 3D』ファンを2基搭載。
この風量増加は、メタル素材によるブレードの薄型化と枚数増加や、ファンブレードの形状を変更し、内径側の背を高くしたことなどによるものです。


本機はこのファンを2基搭載することで、ライバルとなるRazer Bladeと比較して、サーマルスロットリング(冷却が間に合わず、GPUやCPUのクロックが自動的に低下する熱保護機構)を動作させずに、長時間の安定動作を実現する点がアピールされています。

さらにファンをデザイン上でも見せるべく、キーボード面はパームレストを大胆に省略。キーを手前に配置し、奥側にはファンの動作が見える半透明ガラス兼タッチパッドエリアを置くという、独特のデザインを採用します。

基本性能面でも、SSDにはNVMeタイプを、拡張端子にはThunderbolt 3を採用するなど、充実ししたもの。さらにキーボードは薄型メカニカルスイッチを採用します。

続いての注目は、4K HDR対応の高級ゲーム向け液晶ディスプレイ『Predator X27』。
4K解像度での144Hzリフレッシュレート入力が可能で、レスポンスタイム4ミリ秒。NVIDIAのG-SYNC HDR技術(G-SYNCのHDR技術対応発展型)にも対応し、Tobii社製アイトラッキング(視線入力)センサーまでも搭載するという、全部入り的な製品です。

G-SYNC HDR(NVIDIAサイト)





バックライトには、色域(表示可能な色の範囲)を広げる量子ドット技術を導入し、条件の厳しいAdobe RGBの99%をカバー。さらにHDRで重要となる最大輝度は1000nit(cd/m2)で、同じくHDRで重要なエリア分割数は384と、本格的な仕様です。
発売時期や価格は現状では不明です。




『Predator Helios 300』シリーズは、15.6インチ、もしくは17.3インチのフルHD・IPS液晶を搭載するゲーム向けノート。GPUにはGeForce GTX 1060か1050Tiを採用します。CPUにも第7世代Core iの通常電力版(TDP 35W版)を採用。
発熱の処理に関しては、こちらも『第2世代 AeroBlade 3D』ファンを2基搭載。効率的な冷却をアピールします。

15.6インチモデルは米国での発売予定が7月、価格は1299ドルから。17.3インチモデルは米国での発売予定が7月、価格は1399ドルから。



合わせて、Acerブランドのゲーム用ノートPCとして『Nitro 5』も発表。詳細は不明ですが、CPUにはintelのCoreシリーズを、GPUにはGTX 1050 Ti、または1050を搭載する、廉価タイプのゲーム向けノートPCという位置づけのモデルです。
発売時期と価格は未公表。


このようにPredatorシリーズ新モデルノートPCは、高性能GPUを搭載しながら薄型化を目指したTriton 700をはじめ、全般的にさらなる小型、軽量化を意欲的に進めたモデル群と呼べる存在。
ゲーム用ディスプレイとしての全部入りっぷりが頼もしいX27と合わせて、競争が激化している昨今のゲーム用PCの中にあっても注目製品と呼べそうです。