元SMAP木村拓哉が18日放送のテレビ朝日系『報道ステーション』に出演。SMAP存続を求める署名活動など、ファンがSMAPは自身の一部と捉えていたことに「その感謝をちゃんと体現、これからしていかないとなっていう状態ですね」などと率直な心境を打ち明けた。

 映画『無限の住人』(4月29日公開)で主演を務める木村。日本家屋の軒先で、キャスターの富川悠太・同局アナウンサーを聞き手に、自身の心境を率直に語っていく。

 最近のニュースなどについて語る中で、富川アナは木村が昨年発生した熊本地震の炊き出しのため、現地を訪れたことを尋ねた。木村は「ちょっとでも、何かできるんだったらという形ではありましたけど」との心境があったことを語った。

 数日前にも熊本を訪れ、映画の舞台挨拶などをおこなったという木村は「今年の4月から映画館にお客様を迎えられる状態になったらしくて。どこかなんか、非現実的な部分、それって余裕じゃないですか、そこが再開されたという話をうかがって、一歩ずつなんだろうけど、日々毎日前に進んでらっしゃるんだなって感じましたね」と感慨深そうに語った。

 そして、富川アナは『無限の住人』の撮影時は、木村がまだ「SMAPの木村さんだったわけですね?」と確認すると、木村は「そうです」と相槌を打った。

 昨年末でSMAPが解散したことで、富川アナは“木村の立ち位置、スタンスが変わった”との趣旨で尋ねる。木村は「どこか、やっぱり、去年までは自分が漕いでなくても、自分がちょっと力を抜いても、動いてなくても推進力ってあったと思う」とSMAP時代を振り返りながら、今年は「推進力は自分次第って感じるようになりましたね」と一人の木村となって感じたことを率直に述べた。

 さらに、「不思議な感じはありましたけどね。変な話、大みそかにNHKホールにいないっていうのがすごい不思議な感覚でした」とSMAP時代の恒例だった『紅白歌合戦』に出場していない自身を客観的に見つめていたという。

 富川アナは、28年間の活動を続けたSMAPが「急になくなった時の感覚」を尋ねる。木村は「なくなったっていうよりかは、形状がなくなっただけで、やってきたことは事実ですし、自分の中にないってものはそれこそないので、変に深刻になるようなメンタリティーでいると、逆に色んなことを望んでくれた人たちに失礼だし」と周囲への気遣いを見せた。

 さらに、富川アナは、SMAP解散阻止のため37万人のファンが存続を求める署名をおこなったことに触れた。奈良市の人口約36万人より1万人多いことを告げると、木村は苦笑いしながら「奈良のみなさんすいません」と応じた。

 そして、ファンの気持ちを木村はこう受け止める。「逆になんか、そういう気持ちを頂いたりとかしたにも関わらず、状態としては今の状態になったので、逆にちゃんとこれから自分が現場で表現させていただく中で、そういう人たちに対する『お返し』をしていかないといけないなという気持ちはありますね、正直」と率直な心境を伝える。

 さらに、「本当に皆さんの、色んな方々の一部にしていただいてたっていうことには、本当に感謝しないといけないと思うし、その感謝をちゃんと体現、これからしていかないとなっていう状態ですね」とファンの気持ちを受け止めていることを明かした。

 そして、一人の木村拓哉となった今、「欲張りにアンテナを張って、感じるものをいっぱい感じないと、何かに秀でているわけではないので。プロのスポーツの世界とか、あからさまじゃないですか。『よし行けた』っていう、自分の中で、あんまり合格が出せない」と向上心が自身を支配していることを打ち明ける。

 この話に富川アナは「この1年、1回も自分に合格出してないです。課題だらけですもん」と自身の心の内をぶつけた。すると木村は「でも、だから続けられません? どこからどういう風が吹くかわからないので。強い風が吹いたら、しならないとダメですよ。折れますよ」と持論を語り、富川アナにアドバイスを送っていた。

 スタジオに戻って富川アナは、インタビュー本番の前に打ち合わせを行おうとしたことを明かした。ところが、「いや、打ち合わせいらないですよ。何でも聞いてください」と木村が応じ、そのまま撮影に入ったという。富川アナは「本当に素直な気持ちを話してくれた印象を受けた」と語っていた。