中国代表・マクラーレン監督【写真:Getty Images】

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マクラーレン監督は日本をベタ褒め「チームとして機能している」

 9日のオーストラリア戦に敗れ、第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の1次ラウンド敗退が決まった中国が、10日の日本戦を前に予想外のアクシデントに見舞われた。日本戦で先発予定だった投手が負傷。マクラーレン監督は「代替案を考えているところ」と困り顔だったが、代わりに右腕ガンを起用することになった。

 オーストラリアに今大会初のコールド負けを喫した中国のマクラーレン監督は、試合後に「選手は懸命に戦ってくれたが、結果にはがっかりだ」と肩を落とした。大きくため息をついた理由はもう1つある。実は、10日の日本戦で先発予定だった投手の肩肘に状態が思わしくなく、登板を回避しなければならなくなった。会見で日本戦の先発投手を質問されると「代替案を考え中。すぐに発表できると思うが」と声を落とした。

 予想外のアクシデント発生で情報収集が遅れたのか、日本の先発予定投手を知っているか質問されても「正直なところ知らないんだ。田中(将大)やダルビッシュじゃないことは間違いない」と自虐ジョーク。中国は日本のスカウティングリポートも用意しきれず、マリナーズのベンチコーチやフィリーズの打撃コーチを歴任するベテラン監督は「事前の情報はほとんどないんだ」と嘆くしかなかった。

 もちろん、実力差があるのは分かっている。それでも、勝負の世界に身を置く者として全力で戦いたい。それすら果たせないもどかしさが、監督の胸にこみ上げたようだ。

 今大会の日本の印象を聞かれると「非常に感銘を受けている。チームとしてしっかり機能しているし、互いを高めあえているようだ。今大会で彼らは頂点を目指すこともできる」と絶賛。戦う前から脱帽だった。

 1次リーグ1位通過を決めた日本を相手に、どこまで戦うことができるのか。今後の中国野球を発展させる意味でも、アクシデントに負けず、全力でぶつかっていきたい。