写真/Domino's

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 豪ドミノ・ピザ・エンタープライズは年内にも、ドローンによるピザ配達の商業テストを実施する模様だ。開始すれば、ドローンによる世界初・実際の顧客へのピザ配達となる。

 豪ドミノは、今年8月にはニュージーランドでドローンによるピザ配達テストを成功させていた。

 米国ドローンベンチャー企業フラーティー社との協力によって開発したドローンが、ピザを入れた箱を抱えて目的地まで飛び、上空からロープを使ってビザを降ろすというもの。

「ニュージーランドは世界でも最もドローン導入に前向きな国家だ」とフラーティー社CEOマシュー・スウィーニー氏は語っている。

 商業配達用ドローンはニュージーランド民間航空安全局の認可を得ている。速度は時速約30km。店舗から半径10kmの飛行範囲をめざす。今後はオーストラリアだけでなく、日本やベルギー、フランス、オランダ、ドイツでもドローン配達の可能性を探っていくという。

◆年内にも実際の配達で実験開始!?

 これまではドローンの飛行範囲は「操縦者の視認範囲」とされていた。このため、店舗から離れた顧客まで配達することには一定の制限があった。

 しかし、「各ステップを完了していくことに成功した」(参照:「ドミノ社Facebook 」)ことを踏まえ、11月に発表される豪ドミノからのリリースには、実際の顧客への商業配達テスト開始が盛り込まれる見通しだ。

「ドローン配達に関する最新報告を楽しみにしててくださいね」という担当者の言葉からすれば、ドローン配達の次の段階、つまりニュージーランド国内にて、実際に販売されるピザを顧客に届ける際、一部に試験的なドローン配達を用いるのではないかと推測できる。

 世界で初めての、ドローンを利用しての空からの顧客へのピザデリバリーが実現するのか、注目される。

◆すでに地上ロボット配達試験も完了

 豪ドミノは今年3月には、自動運転配達ロボットDRUによる配達試験も完了している。熱いピザと冷たい飲み物を別々に保管し、運んでくれる。人が歩くのに近い速度で歩道を移動し、障害物も探知。充電なしに距離約20kmまで走行できる。規制が緩和されれば公道上をさらにスピードアップして移動。現在豪クイーンズランド州交通局と折衝中だ。

 ロボットが路上をとことこ配達するのか、それともドローンが空からするするとビザを降ろすのか。近い将来、ピザを注文した顧客はいずれかを選択できるようになるだろう。

<取材・文/沢木サニー祐二 写真・動画提供/写真・動画:Domino’s Pizza Enterprises Ltd>

【沢木サニー祐二】
オージー文化評論家。1965年、茨城県生まれ。国際調停人。大学で心理学を専攻後、講談社に入社。編集者として『週刊少年マガジン』、『科学図書ブルーバックス』などを手がける。94年に退職後、オーストラリアの独立移住ビザを取得、現在までシドニーに在住。現地でカンタス航空機内誌の副編集長を経て、編集プロダクションを運営。月刊誌やガイドブック製作などに携わりながら、移住・資産運用・法務サポートなどを行う。日本経済新聞シドニー支局現地記者(2013-15)、ニューサウスウェールズ州治安判事、オーストラリア全国調停人協会認定調停人、英国仲裁人協会会員。著書に『「おバカ大国」オーストラリア - だけど幸福度世界1位!日本20位!』 (中公新書ラクレ)、『潜水艦 Option J いつか浮上へ: 海外に挑もう がんばれ日本ビジネス』(KDP)など