中国の食文化は奥が深い。バラエティに富んだ気候風土に長い歴史が積み重ねられた中国料理に対し、日本人は相応のリスペクトを持っている。日本人に口に合うようアレンジされているとはいえ、日常的に中国料理を食す機会が多いというのはその表れだろう。(イメージ写真提供:123RF)

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 中国の食文化は奥が深い。バラエティに富んだ気候風土に長い歴史が積み重ねられた中国料理に対し、日本人は相応のリスペクトを持っている。日本人に口に合うようアレンジされているとはいえ、日常的に中国料理を食す機会が多いというのはその表れだろう。

 中国メディア・今日頭条は12日、「どうして国外において中国料理の地位が日本料理に遠く及ばないのか」とする記事を掲載した。記事は、日本人は中華料理は世界3大料理の1つと認識しているにも関わらず、欧米諸国における位置づけでは日本料理に遠く及ばないのかと疑問を提起した。そのうえで、4つの点から理由を解説している。

 1つ目は「中国人の印象に高級感がない」。日本人は健康かつ上質なイメージを与え、それがおのずと食べ物にも対する高級感にもつながっている一方、中国人にはそのようなイメージがないと指摘した。2つ目は「ソフトパワー輸出の差」だ。映画にしろアニメ作品にしろ中国のソフトパワー輸出は不十分な状況であり、グルメに関するコンテンツも乏しいと解説している。

 3つ目は「国外の中国料理レストランの多くが、チープ路線であること」。国外では高級料理店に比べて価格も質も低いチープな中国料理店の比率が高いとのこと。しかも中国国内においても市井にある大部分の中国料理店ですら、低価格なうえ衛生的な問題を抱えていると論じた。

 そして4つ目に挙げたのが「サービスの質の差」だ。日本のサービス業のクオリティは世界的に有名で、とりわけ飲食業界では顕著であると紹介。一方で中国の店員は仕事中におしゃべりしたり騒いだり、携帯電話で遊んだりという現象が当たり前になっており、「これではどうやったって高級感は生まれない」と指摘している。

 料理の技術や内容自体は非常に高いポテンシャルを持っているにも関わらず、それを十分に生かしきれていないうえ、食品の安全問題なども加わってネガティブなイメージを与えてしまっている……これが中国料理の現状と言える。世界では西洋料理のエッセンスを取り入れた新たな中国料理が次々と生まれている。伝統を守りつつ、積極的に新たな試みをして世界に発信をするという姿勢が「本場」にも求められているのかもしれない。「脂っこい、体に悪そう」というイメージの転換も課題である。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)