12日放送、フジテレビ「有名人ギャップ大賞」では、リオデジェネイロ五輪柔道男子90キロ級金メダリスト・ベイカー茉秋がゲスト出演。「激白!栄光までの苦悩の4カ月」と題し、五輪直前の敗戦から復調したきっかけを明かした。

今年4月、茉秋は全日本選抜体重別選手権に出場するも、その決勝戦で西山大希に敗戦。それまでの実績から五輪代表の座こそ彼に決まったが、当の本人は「これじゃオリンピックは勝てないと思ったし、何か変えなくちゃいけない」と危機感を覚えたという。

すると茉秋は「高校の原点に帰りたい」として、東海大浦安高時代の恩師である竹内徹さんに電話を入れ、協力を仰いだ。
「自分を一番強くしてくれた。高校時代があったからこそ今の僕がある」という茉秋だが、その高校時代は「(1年生の時は)県大会で2回戦負けするくらいの選手」だったといい、そんな中でも竹内監督だけは彼に目をかけてくれたという。

番組のVTRに登場した竹内監督は「高校1年生の夏休みに練習試合をやらせた時に相手が190cmくらいあった。(茉秋は)その相手に飛び上がって奥襟をとりにいった。身体的にも飛び上がって190cmの奥襟を取るってなかなかできない。その姿を見た時に“この子はいけるな”」などと、その資質を見抜いたエピソードを明かした。

その後、竹内監督の指導のもとメキメキと実力をつけていった茉秋。肉体改造にも成功し、公式戦では46試合連続一本勝ちをするまでに成長した。

そんな恩師に助けを求めた五輪の約4ヶ月前――、茉秋の相談に、竹内監督は「何が何でも協力してあげたい。何かアドバイスしてあげたいと思っていた矢先だったので茉秋から言われた時に“よっしゃー”と思いました」と振り返る。

すると、竹内監督の指導も受けることになった茉秋が、まず相談したのは「得意技(大内刈り)を突き詰めてオリンピックにもっていくか、色んな技術を増やしてオリンピックにいくか」という悩みだったという。

この質問に竹内監督は「絶対大内刈りだ」と回答。「茉秋がどんなに研究されても、世界を獲らせる自信がありました」という同監督の助言で覚悟が決まったという茉秋は、「僕の弱かった頃から知ってる先生にそういう的確なアドバイスを頂けると、自分もそうだなと納得できるので。竹内先生に言われたからこそ自分の中でも決定できた」とこの時の気持ちを語った。

五輪の戦いでは、準決勝の残り49秒で反則を取られ、「負けるかもしれないと思いました」という茉秋。それでも会場が静かになった瞬間、タイミングよく竹内監督の「茉秋行けよ」という掛け声が耳に入り奮起すると、最後は大内刈りでの逆転勝利となったばかりか、決勝戦も大内刈りが勝利の呼び水に。まさに大内刈りによって金メダルを獲得した茉秋は「本当に協力を仰いでよかったですし、その時の選択は正しかった」と嬉しそうに話した。