心字池の中之島にあった妙音閣が、現在は礎石でおもかげをしのぶ

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1341(暦応4)年、足利尊氏が天龍寺の夢窓国師を開山に迎え創建。のちに尊氏、義詮(よしあきら)将軍当時の幕府の地にあった等持寺が移され、足利将軍歴代の菩提寺に。霊光殿に歴代将軍の木像が安置されるなど、現在も230年以上の歴史を伝える貴重な文化財が保存される。庭園は、夢窓国師が作庭した京都の名園の一つ。東西に分かれ、西の庭「芙蓉池」は衣笠山を借景にした池泉回遊式で、北には義政公好みの茶室・清漣亭(せいれんてい)がある。

■ 文化財

<紙本淡彩等持寺絵図(重要文化財)>南北朝時代の古文書。

<方丈障壁画 狩野興以筆(市・登録文化財-美術工芸)>1615〜24年の元和年間初期にさかのぼる、狩野興以の障壁画の遺例。

<天龍寺派 元管長 関牧翁老師筆・祖師像>臨済宗天龍寺派の元管長・関牧翁老師が描いた祖師像は迫力たっぷり。

■ 紅葉

カエデなど多数あり。見ごろ11月中旬〜12月下旬。庭園の心字池と芙蓉池周辺が最も鮮やか。池周辺を歩きながら観賞を。

■ 桜

ヤマザクラなど。見ごろ4月上旬〜。ひっそりと咲く桜が情緒豊か。等持院ならではの春景色が楽しめる。

■ その他の見どころ

<方丈>1616(元和2)年に福島正則が妙心寺塔頭海福院に建立し、1818(文政元)年に等持院に移築された古建築。南庭を控えた広縁を歩くと、鶯張りの音が心地よく響く。

<足利尊氏墓>方丈北の中央に尊氏の墓・宝筐印塔がある。台座の正面には“延文三年四月”の文字が刻まれている。

■ 年中行事

<10月>秋の寺宝展/狩野派の作による方丈障壁画や長谷川等伯筆秀吉像などが公開される。美しい紅葉で彩られる境内を眺めながら、書院で抹茶や番茶をいただくこともできる。2016年は10月7日(金)〜11日(火)、抹茶500円、番茶300円。

【関西ウォーカー編集部】