ボーナスも悲喜こもごも

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 この夏のボーナスは明暗がくっきり分かれた。大メディアは「過去3番目の高水準」と騒ぎ立てるが、本誌の有名企業100社調査からは、「高水準」の一言ではくくれないサラリーマンたちの悲喜の声、そして格差拡大という現実が浮かび上がってくる。

 不正会計問題でトップが交代し、経営再建中の東芝は、2016年3月期連結決算の最終損益で4600億円の巨額赤字を計上し、ボーナスは「最大で約50%カット」という厳しい結果になった。同社広報IR部の説明。

「金額ベースでは公表していませんが、2016年夏期は1か月分、冬期も1か月分の減額が決まっています。所属部門の業績が最低水準で個人評価が標準の場合、賞与の合計は前年の50%程度の見込み」

 東芝の40代後半社員は、「私立大学に通う息子の学費をどう工面すればいいのか」と頭を抱える。

 それでも40代以上の東芝社員たちが「あそこよりマシ」と口を揃えるのが、経営危機に陥り、台湾の鴻海傘下に入ったシャープだ。

「ボーナスは夏1か月分、冬も1か月分」(広報部)は去年と同水準だが、社員たちの表情には悲壮感が漂う。

「“リストラはしない”と合意したはずなのに、今になって“人員削減は避けられない”と言い出した。鴻海のテリー・ゴウ(郭台銘)会長は何をするかわからない。雀の涙のボーナスも、今後に備えて貯金しておくしかない」(40代前半社員)

 ボーナスがゼロの企業もある。2011年3月の福島第一原発事故以降、原発稼働停止の影響で燃料費がかさみ、苦境が続いている関西電力が4年連続ゼロ。

 その一方で、同じ電力業界でも、今夏のボーナスが前年比34.4%増と、100社全体でトップの伸び率を示したのが中部電力だ。

「原発の稼働停止後に進めた業務の効率化が実を結んできた。例えば燃料の調達業務では、安価な石炭を活用することで燃料費の削減を進めている。そうした社員たちの努力への評価を賞与として反映させた」(報道グループ)

※週刊ポスト2016年7月1日号