(撮影:岸本勉/PICSPORT)

写真拡大

キリンカップで日本代表に初選出され、ボスニア・ヘルツェゴビナ戦で初出場を果たした小林祐希が話題になっているようですね。

74分、宇佐美貴史に代わって出場した小林祐希は積極的にボールによってプレーしようとしていました。そのため、左サイドを開けて中央に寄り、途中で長谷部誠からもっと左に寄るように指示を出される場面もありました。

これがチームプレーの指示を無視したのではないかという推測を生んで、わがままなプレーではないかと議論になっているようです。こんな話が出てくるたびに、僕は「だから日本はまだまだなんじゃないか」という暗い気持になってしまいます。

残り15分でピッチに立った小林祐希はサイドに張り付いてもパスが廻ってこないと判断したのでしょう。そして積極的にポジションを動かし、プレーに関わろうとしたのです。だから前線にパスを供給し、シュートも放っています。

それに小林祐希はアピールしなければならない立場の選手でした。監督やキャプテンの言うことを忠実にできたとしても、それでは不十分。そこにプラスアルファしなければ、代表チームには残れないのです。

自分が初めて日本代表に呼ばれたときも、自分は必死でアピールして、それを先輩たちがフォローしてくれました。今回もきっとそうだと思います。

昔を考えてみると、本田圭佑が中村俊輔にFKを蹴らせろと直訴したこともありました。中田英寿も先輩たちに物怖じせず物申していました。こういう選手がもっと出てこないと、日本のサッカーは発展しないと思います。

もちろん、これがキリンカップだったから許されたことではあります。もしワールドカップ予選だと話は別。もっと別のプレーを選択しなければならないのは間違いありません。

それでも小林祐希は頼もしいと思います。試合に出た選手は自分を出してこそ。こういうタイプ、僕はキライではありません。