舞台『弱虫ペダル』IRREGULAR 廣瀬智紀&北村諒インタビュー「巻島と東堂に出会って僕らは変わった」
2012年からスタートし、今や大人気シリーズとなった舞台『弱虫ペダル』。実力派俳優陣が舞台上でロードレースを熱演する姿は話題を呼び、今年3月に行われたインターハイ篇 The WINNERを含め、今までに6作品が上演されている。シリーズ最新作では、原作の渡辺航氏自らが描き下ろしたスピンオフ漫画『SPARE BIKE』から、総北高校・巻島裕介と、箱根学園・東堂尽八のふたりを軸に、物語が展開していく。巻島役の廣瀬智紀と東堂役の北村諒に、今作への意気込みを聞いた。
撮影/岡本武志 ヘア&メーク/山崎初生 取材・文/編集部
――今年3月に上演された舞台『弱虫ペダル』インターハイ篇 The WINNERに続く第7弾ということですが、久しぶりに会いました?
北村 仕事でもプライベートでも、たびたび会ってたよね。
廣瀬 そうそう。だから久しぶりって感覚はないかな。
北村 僕らにかぎらず、舞台『弱虫ペダル』のキャストは、「おー久しぶり」って感じではないんだよね。
廣瀬 一緒に過ごしているあいだの密度が濃いからかもね。
――密度が濃いというのは…?
廣瀬 稽古から本番にかけての期間も長いですし、 “命を削る”ではないけれど、それくらいの熱量で稽古に取り組んでいるので、自然と絆みたいなものが生まれるんです。
――おふたりが座長となるスピンオフが決まったと聞いて、どう思いましたか?
北村 インターハイ3日目までやらせてもらって、それは(ひとつの)集大成でもあり、本当にやりきった!!というなかで、こうしてまたひとつ(作品を)つなげられたことが、うれしかったです。
廣瀬 うん。やはり3日目のゴールに向かって、一丸となっていたから。そして、ゴールすることができた。そこからまたひとつ先につながったのは、今までやってきたキャストや、応援してくれたファンのみなさんのおかげだと思います。
北村 東堂と巻島がメインっていうのも、本当にうれしくて。同時にプレッシャーも感じましたし、いろんな感情がわきあがりました。
廣瀬 僕たちふたりが座長を任せてもらえたことはありがたいのですが、僕たち自身が次につなげないといけないとも思っているので。しっかりやらなきゃなと、気が引き締まりました。
――廣瀬さんは「The First Result」(2013年8月〜)から、北村さんは「The Second Order」から(2014年3月〜)からの参加ですが、“二代目・巻島&東堂”を作るために話し合ったことはありましたか?
廣瀬 お互いに個人作業でやってたよね。僕は二代目として巻ちゃんを演じることが決まったときに、先代の馬場(良馬)さんの芝居やペダルのこぎ方はすごく参考にさせていただいて。そこに上乗せして、自分らしさを追求していくってことはしていたけど。
北村 僕も個人的に、玉城(裕規)くんの演技をDVDで見て、研究してましたね。
――舞台上で、「ここはこうしよう」みたいな話はしないんですか?
北村 稽古中に話し合うことは多々あります。総北で話したり、箱根学園(ハコガク)で話したりとかチームごとだったり、同じシーンに出ている全員だったり。
廣瀬 このカンパニーは、その場でひらめいたことを試しながら、芝居を作っていくっていうスタイルで。演出家の(西田)シャトナーさんのひらめきでやらせてもらうこともあるし、僕たちが提案させていただいたアイディアを試してみることもある。
北村 そういう話し合いは常に、それぞれのキャストがやっていたよね。
――では、自分が演じるキャラクターの「ステキだな」と思う部分はどんなところですか?
北村 普段、東堂は飄々としていたり、おちゃらけていたり、巻ちゃんを困らせるくらい電話したりするんですけど(笑)。でも(ひとたび)自転車にまたがると、自分の仕事をしっかりこなすし、実力もあって。そういう普段とのギャップがステキだなって思います。
廣瀬 僕の場合は、巻ちゃんの不器用さに共感しました。人間関係を構築するのが苦手で、でも自転車で会話ができるとか。僕自身もスポーツをずっとやっていて、サッカーを通じて友達と仲良くなることも多かったんです。そのうえで、周りに流されず、自分のオリジナルを追求していくカッコよさに魅力を感じます。
――廣瀬さんと巻島、似ているところはあると思いますか?
北村 自分の道を突き進んでいるというか、自分の色を大事にしているというか。ブレないところは似てると思います。
廣瀬 …そこらへんは巻ちゃんに救われたんですよ、僕。
北村 …えっ、突然どうしたの!?
廣瀬 悩んでいたんです、実は。この世界って、“自分が、自分が”って人が、やっぱり多いと思うんです。
北村 うん。
廣瀬 僕もそういうのに乗っていかなきゃいけない、じゃなきゃ呑み込まれてしまうんだろうなぁ…と感じることが多かったんです。でも自分の性格的に、うまく前に出れなくて。そんなとき巻ちゃんが、「自己流で一番速かったら、最高にカッコいいっショ!」って言ってくれました。
――巻島が小野田坂道に放った言葉が、廣瀬さんにも響いたんですね。
廣瀬 はい。いま、きたむー(北村)に言ってもらえたように、ブレない部分を僕が作れているのだとしたら、それは巻ちゃんのおかげです。
――そうだったんですね。
廣瀬 でもさ、東堂を演じるうえで、きたむーもだいぶ前に出られるようになったんじゃない?
北村 そうなんだよね。東堂と出会えて変わりました。もともと僕も、自分から前に出るようなタイプじゃなかったんだけど、東堂と一体になっていくうちに、意見を言えるようになったり。
廣瀬 やっぱりね。
北村 だから、東堂というキャラクターには、感謝とリスペクトがどっちもあるんです。
――こうした取材現場でも、北村さんは東堂っぽい行動をとる瞬間があるなと思っていたので、てっきりもとからそういうタイプなのかと。
廣瀬 役作りかわからないですけれど、割と日常生活から、東堂っぽい部分を出してたんですよ。そこは自分もいいなと思って見てました。
北村 このカンパニーは、誰かが前に出ようすると、みんながつっこんでくれるんですよ(笑)。愛がある現場なんです。だから自然とそうなれる。
廣瀬 僕がブログ用に自撮りしていたら、後ろのほうに写りこんできたりするもんね(笑)。以前のきたむーだったら、そういうことしなかったでしょ?
北村 そうかもしれない(笑)。
撮影/岡本武志 ヘア&メーク/山崎初生 取材・文/編集部
“次につなげる”というプレッシャー
――今年3月に上演された舞台『弱虫ペダル』インターハイ篇 The WINNERに続く第7弾ということですが、久しぶりに会いました?
北村 仕事でもプライベートでも、たびたび会ってたよね。
廣瀬 そうそう。だから久しぶりって感覚はないかな。
北村 僕らにかぎらず、舞台『弱虫ペダル』のキャストは、「おー久しぶり」って感じではないんだよね。
廣瀬 一緒に過ごしているあいだの密度が濃いからかもね。
――密度が濃いというのは…?
廣瀬 稽古から本番にかけての期間も長いですし、 “命を削る”ではないけれど、それくらいの熱量で稽古に取り組んでいるので、自然と絆みたいなものが生まれるんです。
――おふたりが座長となるスピンオフが決まったと聞いて、どう思いましたか?
北村 インターハイ3日目までやらせてもらって、それは(ひとつの)集大成でもあり、本当にやりきった!!というなかで、こうしてまたひとつ(作品を)つなげられたことが、うれしかったです。
廣瀬 うん。やはり3日目のゴールに向かって、一丸となっていたから。そして、ゴールすることができた。そこからまたひとつ先につながったのは、今までやってきたキャストや、応援してくれたファンのみなさんのおかげだと思います。
北村 東堂と巻島がメインっていうのも、本当にうれしくて。同時にプレッシャーも感じましたし、いろんな感情がわきあがりました。
廣瀬 僕たちふたりが座長を任せてもらえたことはありがたいのですが、僕たち自身が次につなげないといけないとも思っているので。しっかりやらなきゃなと、気が引き締まりました。
――廣瀬さんは「The First Result」(2013年8月〜)から、北村さんは「The Second Order」から(2014年3月〜)からの参加ですが、“二代目・巻島&東堂”を作るために話し合ったことはありましたか?
廣瀬 お互いに個人作業でやってたよね。僕は二代目として巻ちゃんを演じることが決まったときに、先代の馬場(良馬)さんの芝居やペダルのこぎ方はすごく参考にさせていただいて。そこに上乗せして、自分らしさを追求していくってことはしていたけど。
北村 僕も個人的に、玉城(裕規)くんの演技をDVDで見て、研究してましたね。
――舞台上で、「ここはこうしよう」みたいな話はしないんですか?
北村 稽古中に話し合うことは多々あります。総北で話したり、箱根学園(ハコガク)で話したりとかチームごとだったり、同じシーンに出ている全員だったり。
廣瀬 このカンパニーは、その場でひらめいたことを試しながら、芝居を作っていくっていうスタイルで。演出家の(西田)シャトナーさんのひらめきでやらせてもらうこともあるし、僕たちが提案させていただいたアイディアを試してみることもある。
北村 そういう話し合いは常に、それぞれのキャストがやっていたよね。
キャラクターに救われた経験
――では、自分が演じるキャラクターの「ステキだな」と思う部分はどんなところですか?
北村 普段、東堂は飄々としていたり、おちゃらけていたり、巻ちゃんを困らせるくらい電話したりするんですけど(笑)。でも(ひとたび)自転車にまたがると、自分の仕事をしっかりこなすし、実力もあって。そういう普段とのギャップがステキだなって思います。
廣瀬 僕の場合は、巻ちゃんの不器用さに共感しました。人間関係を構築するのが苦手で、でも自転車で会話ができるとか。僕自身もスポーツをずっとやっていて、サッカーを通じて友達と仲良くなることも多かったんです。そのうえで、周りに流されず、自分のオリジナルを追求していくカッコよさに魅力を感じます。
――廣瀬さんと巻島、似ているところはあると思いますか?
北村 自分の道を突き進んでいるというか、自分の色を大事にしているというか。ブレないところは似てると思います。
廣瀬 …そこらへんは巻ちゃんに救われたんですよ、僕。
北村 …えっ、突然どうしたの!?
廣瀬 悩んでいたんです、実は。この世界って、“自分が、自分が”って人が、やっぱり多いと思うんです。
北村 うん。
廣瀬 僕もそういうのに乗っていかなきゃいけない、じゃなきゃ呑み込まれてしまうんだろうなぁ…と感じることが多かったんです。でも自分の性格的に、うまく前に出れなくて。そんなとき巻ちゃんが、「自己流で一番速かったら、最高にカッコいいっショ!」って言ってくれました。
――巻島が小野田坂道に放った言葉が、廣瀬さんにも響いたんですね。
廣瀬 はい。いま、きたむー(北村)に言ってもらえたように、ブレない部分を僕が作れているのだとしたら、それは巻ちゃんのおかげです。
――そうだったんですね。
廣瀬 でもさ、東堂を演じるうえで、きたむーもだいぶ前に出られるようになったんじゃない?
北村 そうなんだよね。東堂と出会えて変わりました。もともと僕も、自分から前に出るようなタイプじゃなかったんだけど、東堂と一体になっていくうちに、意見を言えるようになったり。
廣瀬 やっぱりね。
北村 だから、東堂というキャラクターには、感謝とリスペクトがどっちもあるんです。
――こうした取材現場でも、北村さんは東堂っぽい行動をとる瞬間があるなと思っていたので、てっきりもとからそういうタイプなのかと。
廣瀬 役作りかわからないですけれど、割と日常生活から、東堂っぽい部分を出してたんですよ。そこは自分もいいなと思って見てました。
北村 このカンパニーは、誰かが前に出ようすると、みんながつっこんでくれるんですよ(笑)。愛がある現場なんです。だから自然とそうなれる。
廣瀬 僕がブログ用に自撮りしていたら、後ろのほうに写りこんできたりするもんね(笑)。以前のきたむーだったら、そういうことしなかったでしょ?
北村 そうかもしれない(笑)。