「ポニーキャニオンはファンドの対象とならなくもない」と語る、SBIの北尾吉孝CEO(撮影:吉川忠行)
ソフトバンク・インベストメント(SBI)<8473>の北尾吉孝代表取締役CEOは24日、ニッポン放送<4660>、フジテレビジョン<4676>と同社が共同でコンテンツ分野のベンチャー企業を育成する投資ファンド設立に合意したとして、東京・港区内で会見した。

 SBI、ニッポン放送、フジテレビが合わせて200億円を出資するSBIビービー・メディアファンドは、主に映像、音楽、出版などのコンテンツ事業、メディア関連事業、ブロードバンド関連事業を行うベンチャー企業へ投資するとしている。出資比率はSBIとSBIベンチャーズが20億円、フジテレビが160億円、ニッポン放送が20億円で、運用期間は約5年間。フジサンケイグループの経営に対する、ライブドアの影響力を排除する防衛策と見られる。

 北尾氏は「映像・音楽・出版のコンテンツの世界にいろんな形で貢献していこうとするその選択の一つとして、ファンドを作るに至った」と投資ファンド設立の経緯を説明し、「金融を核にしながら金融を超えたい。インターネット金融で培ったノウハウが非金融分野でも生かすことができると感じている」とフジサンケイグループとの事業提携に意欲を示した。

 また、同ファンドがポニーキャニオンを取得する可能性について、北尾氏は「ファンドで買う対象にならなくもない」と答え、含みを持たせた。

 フジサンケイグループとの投資ファンド設立について、「今日契約にサインした」と表明。最終的な話し合いは21日、SBI、フジテレビ、ニッポン放送の3社のトップがホテルオークラで会合を持ち、大筋合意に達した。

 ソフトバンク社長の孫正義氏の関与については、「ソフトバンク(本体)とは関係のない決定で、孫さんにはいまだ話していない」と否定。北尾氏が仲介役になる可能性については、「(ライブドア社長の)堀江君の先輩として、いろんなことで話してみることもありうる」としながらも、「ホワイト・ナイト(白馬の騎士)をかって出るつもりはない」と積極的な関与を否定した。

 ソフトバンク・インベストメントはソフトバンクグループの投資会社。同社ホームページによると、設立は1999年7月で、資本金85億4243万7229円、従業員数は04年3月31日現在807人(連結ベース)。【了】