2017-0702
先行記事の【お米を食べる機会は減っているのだろうか】などで、JC総研が発表したお米の消費行動に関する調査結果をもとに、自宅でお米を炊いて食べる機会はわずかずつながら減っている傾向にあったものの、2015年以降は増加に転じたことを確認した。一方で飲食店やコンビニ・スーパーなどの惣菜関連の動向から、昨今では中食の需要が増加している動きも見受けられる。そこで今回は同調査結果を基に、主食のお米・パン・めん類に、中食や外食の摂取頻度がどのような変化を示しているのかを確認していくことにする(【発表リリース:米の消費行動調査】)。

お米を食べる頻度を中食と外食で見ていくと


今調査の調査要項は先行記事の【お米、パン、めん類…主食をどれだけ食べている?】を参照のこと。今調査対象母集団では、主食としてお米を食べる機会において、自宅で炊いて食べる炊飯の機会は減り、中食が漸増していた傾向が見受けられた。そして2015年以降では炊飯が増加に転じ、その分中食や外食が減る動きを示している。ただし直近年では炊飯がわずかに減り、中食が増加している。

↑ 1日の主食平均食数(「米が主食」の内訳)(再録)
↑ 1日の主食平均食数(「米が主食」の内訳)(再録)

そこでもう少し長い時系列でデータを取得できる「既婚女性」「単身男性」「単身女性」に関し、中食(加工食品……パックごはんや冷凍ピラフ、お餅など)・中食(調理済……弁当、おにぎりなど)・外食の3様式に関し、1週間あたりの食数(要は頻度)の推移を見ていくことにする。

↑ 主食平均食数(「米」の内情、1週間あたり、既婚女性)
↑ 主食平均食数(「米」の内情、1週間あたり、既婚女性)

↑ 主食平均食数(「米」の内情、1週間あたり、単身男性)
↑ 主食平均食数(「米」の内情、1週間あたり、単身男性)

↑ 主食平均食数(「米」の内情、1週間あたり、単身女性)
↑ 主食平均食数(「米」の内情、1週間あたり、単身女性)

まず外食。どの属性でもほぼ一様に減少傾向にあった。外食そのものの回数が減らされている話は本当のようだ。もっとも単身男女は下げ止まりの動きを見せ、既婚女性は増加に転じる流れを示している。外食離れは底打ちをしたようだ。

一方中食だが、いくぶんのイレギュラーな動きがあるものの、調理済みのご飯も減る動きを示している。また同じ中食でも加工食品は属性によって異なる傾向、具体的には単身女性が減り、単身男性と既婚女性は減少から増加へと転じる流れにあった。特に既婚女性における値の動きは明確なもの。中食利用者の多くは惣菜のみを調達し、ご飯などの主食は自前で用意する事例が多いとの話を聞くが、単身男性や主婦は冷凍ピラフやパックごはんもまた、惣菜などと共に調達する事例が増えているようだ(確かに昨今のコンビニなどにおける冷凍の調理系ご飯は多種多様が用意されており、興味をそそられる)。お弁当のように何らかの具材がプラスされて値が張ってしまうものではなく、あくまでも主食としてのご飯を求めているのだろう。

ただし直近の2017年では一部をのぞけば前年から増加の動きを示している。特に中食(加工食品)の上昇ぶりは顕著である。中食への傾注は他の調査結果でも確認ができるが、今調査でもその裏付けとなる動きを見出せるかもしれない(あと1、2年の見極めが必要だが)。

ざっとまとめると主食のお米の場合、外食は減少から底打ち、中食の調理済みも減少から増加の気配。お米に関わる食生活の大きなかじ取りの変化が生じつつあるようではある。

パンやめん類はどうだろうか


同じようにパン類やめん類についても、中食と外食の動きを見ていくことにする。もっともこれらは2011年分以降しかデータが用意されていないので、現段階では都合7年分の動きを確認することになる。なおパン・めん共に元々内食のデータは無い。最近では製麺機やパン焼き器の普及も進んでいるが、今件のような調査にまで影響を及ぼすほどには浸透していないのが実体であり、事実上無視して構わない。

↑ 主食平均食数(パン類・めん類、1週間あたり、既婚女性)
↑ 主食平均食数(パン類・めん類、1週間あたり、既婚女性)

↑ 主食平均食数(パン類・めん類、1週間あたり、単身男性)
↑ 主食平均食数(パン類・めん類、1週間あたり、単身男性)

↑ 主食平均食数(パン類・めん類、1週間あたり、単身女性)
↑ 主食平均食数(パン類・めん類、1週間あたり、単身女性)

7年間のみの変移なのでやや分かりにくいが、既婚女性はともかく単身者は男女ともに外食(破線部分)が減少している傾向にあるのが分かる(直近年で単身女性のめん類・外食派増加に転じているが、値動きが急すぎるのでイレギュラーの感が強い)。一方中食(実線)は2014年までは既婚女性こそあまり変化がないものの、単身男性はパン・めん共に、単身女性もパンが明らかに機会を増やしていたのが確認できる。パンは具体的には食パン、菓子パン、サンドイッチ、ハンバーガーなどを指しており、惣菜パンの類を購入して自宅や職場で食する機会が増えていたようだ。独身諸氏にとって、スーパーやコンビニのパン類は強い味方となりつつある。

ただし2015年以降になると、ごく一部の例外、具体的には単身男性の外食・パン類をのぞき、中食・外食のパン類やめん類はその食数を減らしている。単身女性のめん類が直近年で持ち直した程度。特に中食のパン類の減り方が顕著。原材料費の上昇に伴う各種パンなどの値上げで、購入性向が減退したことが示唆される結果となっている。



2014年から2015年にかけて大きな変移が見受けられるが、調査期間のタイミングを見るに(原則は毎年3月)、消費税率の引き上げに伴い、食生活における消費マインドにも小さからぬ影響が生じた結果とする推定ができる。今調査結果からは因果関係までは説明はできないものの、納得できる理由ではある。

本文中でも触れているが、ここ数年の間に食生活は小さからぬ動き、具体的には中食の急速な浸透が生じている。今件でもお米の消費に関して一部でその気配が見受けられたが、来年以降はより顕著な形で数値となって表れるに違いない。