相手にもっともていねいな印象を与える封書。長い文章はもちろん、目上の人宛ての文書や、重要な内容を書く場合は、縦書きの便箋を使うのが鉄則。「絵入りの便箋も、白地で小さく上品な絵柄なら目上の人にも使えます」

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最近、手紙を書いたのはいつですか? 手軽に通信できるツールが増え、手書きの文を書く機会がめっきり減っていますが、伝えたいことを相手に深く届ける手段として、手紙は何より効果的。

いま改めて、きちんとした手紙の書き方をおさらいしましょう。ビジネスマナー・敬語講師の井上明美さんが、「手紙美人」になるためのテクニックをレクチャーします!

■相手の名前は上、自分の名前は下

文中に自分や相手の名前を書く時、その位置を気にしたことはありますか? 実は、相手の名前を行末に書くのはとても失礼なこと。「相手の名前は必ず行の上に、それに対して“私”など、自分の名前は下に来るように書くのがマナーです。さらに、相手の名前が2行に渡る“泣き別れ”もご法度。必ず改行すること」(井上さん、以下同)

■目上の人には縦書きで。追伸は失礼に当たる

一般的に、もっとも改まった印象を相手に与えることができるのは、縦書き&手書きの手紙。「目上の人への手紙は縦書きがベターです。また、手紙でよく使われる“追伸”の文章は、“本文中に書きもらしたことをあとから付け足す”という行為なので、改まった内容の手紙や慶弔のお知らせでは、ふさわしくない場合も」

■送る前にしっかりと見直しを! 言葉遣い、心遣いが肝心

手紙を書くうえで、文字の読みやすさや美しさはもちろん必要だけど、一番大切なのは“心くばり”。「『心がこもっていればいい』とはいっても、その心を表すのは言葉です。うっかりミスであっても、言葉遣いや敬語表現の間違いは“相手をおろそかにしている証拠”と誤解される恐れも。手紙を送る前に何度も確認しましょう」

◇井上明美さん ビジネスマナー・敬語講師。「All About」では手紙の書き方のガイドを務める。『最新 手紙・メールのマナーQ&A事典』(小学館)ほか著書も多数。

※『anan』2015年7月1日号より。写真・中島慶子 文・瀬尾麻美 《anan編集部》