ふたつの言語で文学作品を書いた人は多い。ベケット(英語とフランス語)やナボコフ(ロシア語と英語)、クンデラ(チェコ語とフランス語)、多和田葉子(ドイツ語と日本語)などがいる。いったんかたほうの言語で書いたものを、自分でもうひとつの言語に直すということも多い。ある作品の最初のヴァージョンを書く言語が、必ずしも母語とはかぎらない。よく知られていることだけど、ややこしいので書いておくと、イサク・ディネセ