保険料を毎月払い続けているものの、その保障が本当に自分に必要なのか、深く考えたことがない人は少なくないだろう。近年、生命保険を解約する動きが目立ってきた。かつては「入っておけば安心」という空気のもとで契約する人が多かったが、その前提そのものが揺らぎ始めている。

脱・税理士の菅原氏は、生命保険会社をめぐる一連の不祥事によって保険業界全体への不信感が強まっていることを、背景の一つとして挙げた。営業担当者に勧められるまま契約を続けている人が想像以上に多いという。若い世代では親の勧めで知らないうちに加入しているケースが多く見られ、収入が増えた頃に初めて自分の保険料に気づくという声も紹介されている。

若者の間で広がっているのは、保険よりも資産運用にお金を回したいという価値観だ。保険は事故や病気が起きなければ支払った分が戻ってこない一方、投資であれば増える可能性があるという発想が、コストパフォーマンスを重視する世代の心理と重なっているという。保険を勧められる機会自体が少ないことも、加入率の低下を後押ししているようだ。

一方で菅原氏は、日本の公的医療保険制度が手厚く整備されている点にも言及した。高額な医療費の自己負担を抑える制度や、働けなくなった際に収入を補う制度が存在するため、毎月の保険料を払い続ける必要性そのものに疑問を投げかけている。契約内容をよく理解しないまま払い続けている状態こそが見直すべき点だという。

さらに、法人経営者など個人保証を伴う借入を抱える立場では事情が異なるとし、自身の経験を踏まえた保険設計の考え方にも触れている。借入額とかけるべき保険金額の関係、税負担を踏まえた設計の必要性など、単純な掛け金の大小では語れない論点も取り上げられた。長年付き合いを続けてきた保険担当者との契約の引き継ぎをめぐる複雑な事情も話題にのぼる。

保険に入るべきか、解約すべきか。菅原氏が判断の軸として繰り返し強調するのは、「もしもの時に本当に困るのかどうか」という一点だ。掛け金の大小だけでは測れない基準がそこにはある。漠然とした不安から保険料を払い続けている人にとって、その契約が本当に必要なのかを知るきっかけになる内容だ。

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