治安戦略アナリストの小比類巻文隆氏が自身のYouTubeチャンネルで「【豊島区・女子寮】わいせつ目的で侵入した男(38)の大捕物劇。9年越しの再犯だった。元警視庁刑事が解説」を公開した。動画では、女子寮に侵入し逮捕された男の事件を機に、日本の性犯罪における再犯防止策の課題とGPS監視導入の遅れについて強い懸念を示している。

小比類巻氏はまず、東京都豊島区の女子寮にわいせつ目的で侵入したとして逮捕された38歳の容疑者について言及。この男が9年前にも中野区の女性宅への住居侵入と強制わいせつの疑いで逮捕されていた事実を指摘し、「刑罰を受けただけでは消えない。かなり根深い行動パターンが存在する」と性犯罪の特異性を強調した。

続いて、法務省の追跡調査データを提示。対象となった性犯罪者のうち13.6%が再び性犯罪に及んでいる現状を説明した。刑務所等で行われる認知行動療法などの再犯防止プログラムには一定の効果が確認されているものの、それだけでは再犯を完全に防ぐことはできないと指摘している。

その上で、海外で導入されているGPSによる電子監視制度を紹介。韓国では導入後に同種犯罪率が大幅に低下した成功例を挙げた。一方で、日本でも2020年に仮釈放中の性犯罪者へのGPS装着義務化が検討されたものの、プライバシーへの配慮などから6年近く経過した現在も制度化に至っていない現状を問題視している。

最後に小比類巻氏は、再犯リスクが高い人物に対する監視のあり方について「本人が反省すれば大丈夫だ。刑罰を受ければ終わりだという考え方だけでは、性犯罪の再犯問題に対応できない」と断言。加害者の自由と「まだ見ぬ次の被害者の安全をどう両立させるのか」と問いかけ、社会全体でどこまで介入し監視すべきなのか、踏み込んだ議論の必要性を訴えかけている。

チャンネル情報

元警視庁刑事・国際捜査官。1993~2023年警視庁。爆弾処理班配属後、警視庁中国語通訳を経て国際捜査官に。以降、国内外の銃器・薬物犯罪の情報収集、秘匿捜査に従事する。ほか殺人、強盗、誘拐事件などあらゆる捜査に参加。退官後、30年に及ぶ警察人生の知見を世の中へ貢献すべく治安戦略アナリストとして活動中。