サマンサ・ソット・ヤンバオはフィリピンの作家で、2010年代から作品発表をつづけている。現在まで六冊のファンタジー長篇があり、本書『鳥かごに集めた想い』は五冊目にあたる。物語がはじまるのは、浅草の路地裏にある質屋だ。この店は異界との境界にあり、人生に迷いがある者だけが訪れることができる。ただし、意識的にこの店へ行くのではなく、評判のいいラーメン屋に入ったつもりが、気づくとこの店に来ているという具合