意欲的というか、いっそ酔狂なといったほうがいいかもしれない、なんともユニークな企画だ。大正末期から昭和十年代半ばまでの尖鋭・爛熟の都市文化を背景に、徒花のように開花した娯楽としての怪奇・猟奇のホラーを掘りおこしたアンソロジー。編者が古雑誌・古書を渉猟し、ほかでは読めない珍しい作品ばかりを集めている。あえて、当時のモダン娯楽雑誌の代表である〈新青年〉掲載作は除外。