邦題の『非在の街』は、物語の主題となる実在と架空のはざまにある街のことだ。そこには特別な方法でしか行くことはできない。そんな場所がいかなる理由で成立し、どのように存続し、そしてまた消え去ろうとしているのか......。このアイデアだけを取りだしてみると、ロバート・シェクリイやフィリップ・K・ディックの短篇のようだ。そういえば、ディックに「地図にない町」という作品があった。