『掃除婦のための手引き書』で大きな反響を呼んだルシア・ベルリンの、3冊目の翻訳となる『楽園の夕べ』が刊行された。20年前にほぼ無名のまま世を去った作家が、なぜ「奇跡の作家」と呼ばれ、支持を集めるのか。ルシア・ベルリンの作品の翻訳を自ら熱望し、その名訳でロングセラーとしてきた翻訳家・岸本佐知子さんによる『楽園の夕べ』の「訳者あとがき」を抜粋して公開します。苛烈な人生の断片1936年に生まれ、2004年の誕生日