1990年代後半に北朝鮮を襲った未曾有の食糧難「苦難の行軍」。全国的に食糧の配給システムが崩壊し、数十万とも言われる餓死者を出した。そんな中でも一部の人々に対しては配給が続けられていた。安全部(警察署)や保衛部(秘密警察)など、北朝鮮の抑圧体制を末端で支えている治安機関だ。両機関とも、不満分子と見なされた人々に対しては拷問もためらわず、特に保衛部は公開処刑や政治犯収容所の運営も担当している。つまりは体