不妊治療によって、新たな社会問題が生まれている(写真:polkadot/PIXTA) 無精子症によって不妊に悩む夫婦が、匿名の第三者から提供された精子を使い、人工授精によって子どもを持つ医療がある。「非配偶者間人工授精(AID)」と呼ばれ、不妊治療のひとつの方法として確立されている。だが、子どもを願う人のために編み出された医療技術が今、社会に新たな課題を突きつけている。生殖医療の社会的な影響を研究する柘植あづみ明