凄惨な事件が起きたときに、疑いのある者や被害者家族の家に押しかけ、インタビューを取り、ニュース番組で報道したり、他者を出し抜いてスクープを狙ったりする。時には「不幸を娯楽にしている」などと厳しい批判にさらされる報道の世界を、『このミステリーがすごい!』大賞受賞作家の中山七里氏が描いた。タイトルは『セイレーンの懺悔』(小学館刊)だ。解説で「慟哭」と表現されたラスト16ページでは、中山氏の持ち味であり、