プロジェクションマッピングとゲームの融合を目指す新たな試みが「RoomAlive」で、これはあらゆる「部屋」を没入型のディスプレイ兼ゲームコントローラーにしてしまい、室内に映し出されたモノに触れたり、踏みつけたりしてゲームを楽しめるようにしようというもの。部屋全体に映像が投影されることになるので、現実世界にゲームの世界が出現したかのような不思議な空間が作り出されます。

RoomAlive: Magical Experiences Enabled by Scalable, Adaptive Projector Camera Units - Projection Mapping Central

http://projection-mapping.org/roomalive-uist/

「RoomAlive」を使うと部屋がどう変わるのかは以下のムービーを見るとよく分かります。

RoomAlive: Magical Experiences Enabled by Scalable, Adaptive Projector-Camera Units - YouTube



RoomAliveは、部屋の床・壁・家具などに映像を投影してゲームをプレイすることが可能になる、という装置。



こんな具合に部屋の中にゲームの映像を投影し……



モンスターにプレイヤーが触れると消滅、といった具合に現実の動きとゲーム上のアクションを関連づけることが可能です。





他にも専用コントローラーを使ってゲームをプレイすることもできます。





RoomAliveは天井に取り付けられた複数台のプロジェクターとKinectにより成り立つシステムで、プロジェクターで室内に映像を投影し、Kinectで部屋全体の形状を把握したり人間の動作を検知したりできるようになっています。



1台のプロジェクターにこんな具合にKinectがセットになっています。



例えば映像に出てきた部屋程度の大きさならば、6台のプロジェクターがあれば壁4枚と床部分を完全にカバー可能。



プロジェクター1台だとたったのこれだけしかカバーできないのですが……



6台のプロジェクターで隙間を埋めるようにあらゆるスペースに映像を投影できるようになるわけです。



通常、プロジェクションマッピングのように凹凸のある面に映像を投影する場合は投影する場所にあるモノの形や色を考慮して映像を作成する必要があります。しかし、RoomAliveではプロジェクションマッピングで投影されることをまったく考慮されずに作成された普通のゲームの映像を部屋全体に投影することに成功しています。

以下の画像は、RoomAliveがリアルタイムで部屋全体に配置されている家具の形状やカラーを判別する際の様子。



このデータに合わせてRoomAliveが投影データを自動で作成することによって、床や壁だけではなく家具上にもきれいに映像が映し出されるようになる、というわけ。



また、RoomAliveは室内の人間の頭の位置を検知し、頭のある位置からきれいに映像が見えるように映像内の物体やキャラクターに自動でパースをかけてくれるそうです。



「Whack-A-Mole(モグラ叩き)」では部屋の中にさまざまなモンスターが出現します。



これをコントローラーで倒したり……





足で踏んづけたりして倒す、というゲームになっています。





もちろんコントローラーを使ってキャラクターを動かす、という普通のゲームと同じような遊び方も可能。



さらには動体検知とプロジェクションマッピングの技術を合わせることで以下のような遊び方もできます。



部屋の中にいる人の動きを検知してトラップが起動。



ボカボカっと攻撃されて……



無残にやられてしまいました、というような場面を演出可能というわけです。



没入型ヘッドアップディスプレイの「Oculus Rift」や、「Omni」などのデバイスを使ってゲームの世界にプレイヤーが入り込もうというアプローチが存在しますが、RoomAliveのように現実世界にゲームの世界を再現する方が簡単にできてしまうものなのかもしれません。