所沢西vs星野
先発・伊丹（所沢西）
11日から開幕した秋季埼玉大会地区予選。県大会出場をかけて東西南北の4地区で行われる。川越東、市立川越など近年、躍進が目覚ましい西部地区。
川越市営初雁公園野球場では所沢西と創部3年目の新鋭・星野が対戦。
所沢西は試合前、先制点を奪って試合の主導権を握るのがゲームプランだった。所沢西の倉繁監督は、「星野の先発投手は直球が多いのを聞いていたので、直球を狙わせました」と狙い球を絞ることを指示。これで選手たちは打席でやるべきことが明確になった。
所沢西ナインは星野の先発・神庭の立ち上がりを捉える。1番小野塚が四球で出塁すると、2番松原の犠打で一死二塁となって、3番林の四球で一死一、二塁から4番伊丹が中前適時打で1点を先制。その後、5番関根も左前安打で続き、一死満塁。ここで6番村田が走者一掃の左越え三塁打を放ち、4対0と4点を先行する。さらに5回表にも1点を追加し、5対0。いずれも直球を打ち返し、指揮官の思惑通りの試合運びとなった。
「この4点で楽に投げることができました」先発の伊丹。伊丹はストレートは110キロ台と速くはない。だが手元で微妙に動く。さらに加えて90キロ台のスローカーブがある。伊丹はスローカーブを自信にしており、星野の各打者はことごとくタイミングが合わなかった。
倉繁監督は話す。「外から見ていると打てそうでしょ？ 伊丹は打てそうで打てないのが持ち味。彼の持ち味を発揮することができていましたね」星野打線もいつでも打ち崩せるという心境があっただろう。初球から振っていく。だが次々と打球を打ち上げ、凡打の山。4回二死まで無安打だった。 伊丹は5回裏に1点を失うが、その後は自分の持ち味を失わず、とにかくカーブで打ち気を逸らし、星野打線を打ち崩せず。9回被安打4、1失点の完投勝利で、星野を破り、2回戦進出を決めた。
勝因としては初回に4点を先制したこと。さらに、伊丹は自分の投球を貫き、星野打線を抑えたことだろう。遅い球で抑える。なかなか会心な投球であった。
試合後、倉繁監督は、「今日は5点取れましたが、普段はロースコアで、守って凌ぐのがうちの野球。次の試合でも、守り合いで勝ち上がっていきたいと思います」コメント。勝利した所沢西は次は川越南と川越総合の勝者と代表決定戦を行う。
(文＝河嶋 宗一）
