お客さまがお金さまになる危険な経営戦略/小笠原 昭治
学問がキライでもよくわかる経営戦略とは何か?シリーズ[11/12](買わない顧客は「顧客に非ず」で正しいか?から続く)

商品を売って売上を頂くのは当たり前

なように思いますよね?

そうでしょう、そうでしょう。

その当たり前な常識に、思わぬ落とし穴が潜んでいるのです。

「売り上げ目標を達成しろ!」

と檄を飛ばせば、営業部員の意識は、

売上という数字へ向かい、商品を売るのが目的

になります。

そうなると、営業戦略は、お金と商品を交換する商取引が戦略目標になり、量と回数と単価と期日が目標値になります。

もちろん、企業は営利追及団体ですから、お金と商品を交換するのは当然ですが、では、貴社の商品を、

誰のお金と交換するのでしょう?

いわずもがな、お客さんですよね?

代金を払ってくれるのはお客さんですし、商品を買ってくれるのも、お客さんですから、商売は、売上金よりも、商品よりも、

お客さんが最優先

であることはサルにもわかります。サルでも分かる話なのに、売上目標を追いかけると、お客さんよりも、

売上金ほしさに商品を売り込み

顧客そっちのけになります。

お客さんが買いたい「価値」よりも、ナンボ売れたか?に価値を見出すようになります。

それに、売上を稼ぐのも、商品を売るのも、自社の都合であって、お客さんの都合ではありませんね?

ところが、売る側の立場に立つと、お客さんの立場に立つよりも先に、

商品を売って、売上金を稼ごう

とします。

いつの間にか、全社を挙げて、お客さまよりも、お金さま第一主義になるわけです。

具体的にいえば、お客さま第一を掲げながら、顧客満足度調査ひとつやってないという

「言行不一致」

「有言不実行」

「口先ばっかり♪」企業になるわけです。

(売上金額の数字よりも、顧客数の数字を追えへ続く)