子どもに見せたくないコンテンツをブロックする「Googleのセーフサーチ」 意外に穴が多い?

写真拡大 (全11枚)

家族で共用しているリビングでiPhoneやiPadで検索していたら、アダルトコンテンツが出てきてしまった……。こんな事態を避けるなら、Googleのセーフサーチを活用しよう。これは、検索結果から、アダルトコンテンツを除外してくれる機能だ。ただし、抜け穴も多いので、使い方には注意が必要だ。

●思わぬキーワードで子供に見せたくない検索結果がヒットすることも……
いまや、何か分からないことがあったら、Googleで検索するのが当たり前だ。大人はもちろん、物心ついたときからインターネットが利用できる子供達にとっても、Googleは身近な検索ツールとして使われている。

ただし、何でも検索できるからといって、「それはちょっと……」ということもある。たとえば、リビングに置いてあるタブレットで、子供といっしょに何気なく検索していたら、アダルト画像がいきなり出てきたとか……。

こうした事態を避けるなら、Googleのセーフサーチをオンにしておきたい。セーフサーチは、Googleの検索結果からアダルトコンテンツを除外するフィルター機能だ。ここでは、iPadのSafariの画面で手順を説明しよう。なお、Androidやパソコンでも設定方法は共通だ。




Googleのホームページを表示したら、右下の[設定]をタップし、メニューから[検索設定]をタップする。




検索の設定ページが表示されたら、[不適切な検索結果を除外する]のチェックボックスをオンにする。





ページ下の[保存]ボタンをタップする。




確認のメッセージが表示されたら[OK]ボタンをタップする。




試しに「ヌード」というキーワードで検索すると、キーワードそのものが使えないことがーわかる。その他のキーワードでも、検索結果からアダルトコンテンツが除外される。

●セーフサーチをGoogleアカウントでロックして設定を変更できないようにする
ただし、この方法が使えるのは、小学生低中学年あたりまでかもしれない。この方法だと、誰でもセーフサーチをオンに戻せるので、知識のある中学生くらいになると、簡単に設定を戻してしまうからだ。

そこで、子どもが勝手に設定を戻すのを防ぐには、親のGoogleアカウントを使って、セーフサーチの設定をロックしてやればよい。手順は次のとおりだ。




再びGoogleの検索の設定ページを表示したら、[セーフサーチをロック]をタップする。




Googleアカウントを求められるので、自分(親)のGoogleアカウントのメールとパスワードを入力して[ログイン]をタップする。




2段階認証を設定している場合は、パスワードを求められるので、携帯電話等に届いたパスワードを入力して[確認]ボタンをタップする。なお、2段階認証を利用していない場合は、この画面は表示されない。




[セーフサーチをロック]をタップする。




セーフサーチがロックされた。これで、セーフサーチをオフにしようとすると、Googleアカウントのメールとパスワードを求められるようになるので、子供が勝手に設定を変更することはできなくなる。

●セーフサーチにも抜け穴はかなりある
かなり精度の高いGoogleのセーフサーチだが、それでも完全ではない。セーフサーチがオンなのに、不適切なコンテンツが出てきてしまうことはありうる。また、セーフサーチの設定は、同じ端末でもブラウザが異なれば、各ブラウザで設定しなければならない。端末が異なれば、各端末のブラウザごとに設定する必要がある。このため、設定はけっこう面倒だ。

さらに、これはある意味決定的なのだが、ブラウザ側のCookieを削除すると、設定がすべて破棄されてしまうのだ。これは、各ブラウザの設定情報をブラウザ側に持たさざるをえないため、原理的に仕方がない。したがって、クライアント/サーバの仕組みやCookieの何たるかを知っている子供なら、このあたりは突破してしまうだろう。

それでも何とかしたいなら、プロバイダ側で提供されているフィルタリングサービスを利用するか、 i-フィルター for iOS i-フィルター for Androidのようなアプリを入れるしかないだろう。

というわけで、紹介しておいて何だが、Googleのセーフサーチには抜け穴も多い。なので、ある意味、Googleのセーフサーチの有効性は、親と子のITリテラシーの力関係で決まる。子供に「Cookieって知っている?」と聞いてチンプンカンプンなら、セーフサーチはうまく機能する可能性が高い。そうでないなら、突破される可能性が高い。いずれにしても、親も勉強が必要だということだ。


井上健語(フリーランスライター)