テキスト系妄想メディア「ワラパッパ (WARAPAPPA )」より

ダーリンハニー吉川コラム「1番ショートが夢だった」その62

「可視化」(かしか)という言葉をいつか使ってやろうと思っているが、実際に使えたことは一度もない。

「ごぼう」とか「パソコン」とか「東武動物公園」とか、今までたくさんの言葉を使って来たが、「可視化」だけは0回だ。言ってみたくて言ってみたくて仕方がないのだが、そんな場面もなく、正直まだ言うのが怖い。


可視化

おそらく「可視化」の意味がイマイチ体に染み込んでいないのだろう。
もう一度辞書を引いてみた。スーパー大辞林によると…

かしか【可視化】
? 見えるようにすること。
? 直接見ることができない事象情報関係などを,図表画像など見ることができる形にすること。
? 取り調べの際の全過程を録画録音すること。捜査官による威圧や自白の強要,証拠改竄(かいざん)隠蔽などの防止に役立つといわれる。



3番なんて…

1と2は何となくわかるが、3の意味で使うのは社会派すぎて困難である。まずもって取り調べの話をしなければいけない。とても大切なことだとは思うが、なかなかその機会を待つのもくたびれてしまう。会話中に内心「取り調べの話をしろ」「取り調べの話をしろ」と思っているのも失礼な話だ。

要は、1の「見えるようにすること」が一番の近道だろう。
これがチャンスなんだと思う。


見えるようにすること

…ただ、これはこれで茫洋としている。「見えるようにすること」。サニーデイサービスの曲にありそうな(それも名曲そうな)雰囲気だが、イメージがなかなか掴みづらい。

2は「見ることができないものを図表化する」ということだが、会話での登場は期待できない。IT系の仕事だったり美術をやっていたりしたらばありそうだが、残念ながら僕はお笑い芸人だ。これも打席は少ないだろう。

要は「可視化」という言葉はカッコいいけれど、使える場面が極端に少ないのだ。

でもそれだけに使ってみたいとも思う。バチッとはめてみたい。

例えばこういうのはどうだろう?
いくつかシミュレーションしてみよう。



その1
マッサージ店にて。僕が足ツボを押されている。

僕:「痛い痛い!」
マッサージ師:「痛いですか」
僕:「そこそこそこ!そこが痛い痛い」
マ:「ここ?ここは腎臓ですね」
僕:「腎臓ですか!ちょっと可視化できますかね?」
マ:「え?腎臓をですか?」
僕:「はい!見たことないので可視化してほしんです!」
マ:「いや、それはちょっと病院でやってもらえますかね?」

※残念!使い方をミスったか…。
そもそもマッサージ店で使う言葉ではないのか。バッドシミュレーション!



その2 
思い出すパターン。友人と僕。

僕:「なんだっけ?あれ?」
友:「ん?」
僕:「アジカンじゃなくて」
友:「ん?ミスチル?」
僕:「いやいや、アジカンに響きが似てるもの」
友:「サバ缶?」
僕:「ちがうちがう。カジキ…」
友:「マグロ?」
僕:「魚じゃなくて。歌詞カードっぽくて…」
友:「ソノシート?」
僕:「全然違う!響き!貸し借り…」
友:「かしかり…」
僕:「かしか」
友:「かしか」
僕:「あ!そうそう可視化!」
友:「は?」
僕:「可視化!可視化!思い出せたーよかったー」

※またまた失敗!こういうことではない!強引すぎる!



その3 
しりとりパターン

「ウシ」→「シマウマ」→「マスク」→「靴」→「つくし」→「シカ」→「可視化」

※浮いている!可視化だけ妙に浮いている!




いっそのことネタにしてしまおう。
相方のナガシにも協力を願おう。

僕:「どうもー」
ナガシ:「ダーリンハニーです」
僕:「よろしくお願いします」
ナガシ「最近ね、見えるようにすることにハマってましてね」
僕:「可視化か」
ナガシ:「ネタも口だけで合わせていたのを台本にしたり」
僕:「可視化か」
ナガシ:「その台本をネットで公開したり」
僕:「可視化か」
ナガシ:「“ここでウケる”とか書いちゃって」
僕:「可視化か」
ナガシ:「この舞台もバッチリ映像化しますので」
僕:「可視化か」
ナガシ:「だからもっと笑ってください」
僕:「いいかげんにしろ。どうもありがとうござい可視化ー」

…何このネタ。可視化って言いたいだけのネタ。中身はまったくナシ。実際やってもウケないだろうな…。




いろいろシミュレーションしてみたが、なかなかハードルは高そうだ。

いつか自然と「可視化」が言える日まで、がんばって生きようと思う。そして自然と言えた日に、「可視化記念日」としてささやかお祝いをしよう。その際は、見えるような形で中継でもしたいと思います。それではまた可視化!

この記事の元ブログ: 一度でいいから言ってみたい言葉シリーズ「可視化」