美味しそ過ぎるでしょ!

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先日、「R-1グランプリ」が開催されました。いや、お笑いの方のそれじゃなくて。今回ご紹介するのは、洋菓子の賞レース。正式名称「ROLL-1グランプリ」が、11月7日に開催されたのです!

……と言っても、まだ説明不足ですか? この「ROLL」とは、ロールケーキのことを指してます。要するに“日本一のロールケーキ”を決定するコンテストが昨年よりスタートしており、その第2回目が「ホテル日航東京」を会場にして開催されたのです。当然、行くしかないでしょう!

さて当日は、全国から応募があった102件の中から選りすぐりの18作品が会場に集結。審査員が試食をし、入賞作品を発表するという段取りみたいです。……ん? 見た顔がいるなぁ。特別審査員として、“スイーツ親方”こと芝田山親方(元横綱・大乃国)がいらっしゃるじゃないですか! 要するに“作る側”のプロフェッショナルと“食べる側”のプロフェッショナルによる厳正な審査が行われたようですよ!

結果、以下の作品が各賞を獲得しました!
グランプリ:「近江の秋 〜近江米と彦根梨のロール」(「クラブハリエクラブハリエ美濠の舎」三好豊さん)
金賞:「Rouleau“Suisen”」(「北日本ハイテクニカルクッキングカレッジ」工藤晶子さん)
銀賞:「ルーロ・ソレイユ」(「柏屋」矢代優さん)
銅賞:「どさんこ豆の砂糖醤油ロール」(「もりもと札幌北15条店」長谷川岳人さん)
特別賞:「ティーダ」(「ムーンハート」前城竜太さん)

では、グランプリを獲得した三好さんのコメントをどうぞ!
「去年は、同じクラブハリエのスタッフが優勝しました。その場に僕もいましたし、本当に悔しい思いをしてこの一年過ごしてきました。それがあったから、この賞をいただけたのかなと思っています。今年は春に父親が亡くなり、落ち込んだ時期が長く続いたのですが、このコンテストでは何とか一位を獲りたいなと思い、今までやって来ました」

そして、芝田山親方からの総評です。
「私たちの社会に当てはめますと、今回は横綱審議委員会の総見。要するに、全国から幕内の関取衆18人が選ばれ、横綱審議委員会の前で稽古をし、『本場所はどんな感じなのかな?』という審査だったと私は思っています。これから皆さんは本場所の土俵に上がっていくわけで、今回受賞されなかった方にも大きなチャンスがいっぱい隠れてるんじゃないかなと思います」
なるほど。日常こそが“本場所”だと、親方は言いたかったわけですね? さすが、歴戦の雄!

そして、お待ちかね。私達も、どうやら今回の18作品を試食させていただけるみたいですよ? これは、自分の舌で判断させていただく良いチャンスだな。……というか、食べたいだけなんですが。
その前に、コンテストの参加条件について。今回は、以下に列挙したようなルールがあったみたいです。
・作品は『四季』(一つの季節を選択)をテーマとし、更に「勤務地や出身地の特産品を使用する」か、あるいは「その作品に因んだストーリー性を持たせる」ロールケーキを制作
・作品(ロールケーキ)のサイズは17センチ以上から20センチまで以内とする(ロールの高さ・太さは不問)
・作品は、コーヒー又は紅茶に合う味わいであること

それらを踏まえ、まずはグランプリ作品「近江の秋 〜近江米と彦根梨のロール」からいただきます。……んまっっ! まず、クリームがすっごくフルーティ。このクリームには、彦根梨が閉じ込められています。そこに、またしても彦根梨の果肉がトッピングされている。
またロール自体も、上品で最高です! 洋風かと思いきや、滋賀の果樹の美味しさがたっぷりと用いられていたロールケーキでした。

続いて、金賞の「Rouleau“Suisen”」。これ、口に入れた瞬間、半端無くユズの香りが広がるんですよ! この効果で、後味は最高にスッキリ。そして、仄かに大人の香りもするな……。
実はこのロールケーキ、東日本大震災で津波被害に遭った酒造の酒粕が生地に用いられているそうです。また、シロップにはにごり酒「雪っこ」を活用したとのこと。

銀賞の「ルーロ・ソレイユ」は、生地に福島県産の米粉「ひとめぼれ」と牛乳を使用。さっぱりとしたオレンジのカスタードにサクサクのチョコレートをトッピング。福島県の復興のシンボル「ひまわり里親プロジェクト」に因み、真夏の元気なひまわりをイメージしたロールケーキでした。
銅賞「どさんこ豆の砂糖醤油ロール」は、個人的に一押し! 小麦粉、てんさい糖、はちみつ、豆、醤油、生クリームと、素材のほとんどが北海道の地場産で揃えられています。お正月の定番、お餅に付ける「砂糖醤油」の甘じょっぱい美味しさが再現された奥行きのある甘みに、フォークを持つ手が止まらないって!
特別賞「ティーダ」は、沖縄の食材「シークァーサー」(旬は冬!)の酸味を活かし、ガナッシュにしてみせています。コクのある甘さが特色で、散りばめられたナッツも最高!

……とグダグダ語ってしまいましたが、要するに全ての作品が美味しかったですよ。
その中でもグランプリを獲得しているのが「近江の秋 〜近江米と彦根梨のロール」。これが、2013年における“日本一のロールケーキ”ですか……。美味しゅうございました!
(寺西ジャジューカ)